2017年09月09日

2017-03-18 「新品種の名 歴史の妙」@山形新聞

新品種の名 歴史の妙
山本泰弘 研究者 30
(2017年3月18日山形新聞掲載)

 同じ党派といえど劇的な戦果を挙げる者が党主流派から警戒視されたり、権力者がその兄弟を謀殺するというのは、現代に限ったことではなく歴史の常と言えよう。*

 約八百年前、それらの運命を背負った男たちが、出羽国へと足を踏み入れようとしていた。誰あろう、幼名を牛若丸という源九郎判官義経と、同じく幼名鬼若丸の武蔵坊弁慶である。
 鎌倉将軍源頼朝に追われいわば全国指名手配中の彼らは、羽黒山を目指す旅の山伏になりきり、決死の演技で関所の突破を試みる。関守は、彼らの正体を見破りつつもその覚悟に絆され通行を許す。

 伝承によれば、歌舞伎「勧進帳」に描かれるこのドラマの舞台は、鶴岡市旧温海町の鼠ヶ関。悠久の時を経て、いま庄内から生まれた米の新品種が「雪若丸」と名づけられたことには、歴史の妙を感じざるを得ない。
 熾烈な市場に散るか、海を越えて覇王となるかは、後世の瞳のみぞ知る。

(*当時、小池百合子都知事の活躍や金正男氏暗殺事件が話題であった。)




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