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山本泰弘 公式サイト。政策案を並べております。
ja
Mon, 30 Apr 2018 00:28:09 +0900
Fri, 19 Aug 2016 07:59:53 +0900
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山本泰弘
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公共政策研究者。国会議員政策担当秘書資格者。
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1874 板垣退助 他「愛国公党本誓」
愛国公党本誓(1874年、立党に際しての決意表明)
現代語訳:山本泰弘
底本:国立国会図書館デジタルコレクション「愛国公党本誓(草案)」
〔自由民権現代研究会 私擬憲法リマスター 掲載〕
一 われら人民を生んだ天は、われらに不変不動の普遍的人権を与えた。この普遍的人権とは天が人民一人一人に等しく授けたものであり、人の力で動かしたり奪ったりし得ないものである。
未開の野蛮な世の中においては、人民の中にはこの普遍的人権を保つことができない者が少なくない。武力による支配体制は、そういった民を虐げ奴隷としてきた。そのために社会に刻まれた弊害は、いまだ少しも解消していない。そのことを認識して改めようともしていない。
わが国人民が、武力支配に抗う中国やインドの人民と異なる*のはこの点であり、この有様でいて国威だとか国民の富だとかを欲しがっている。どうして得られようか。
ここに、至誠愛国のわが心は大いに燃え上がる。志を同じくする仲間と、われら人民の天から授かった普遍的人権を確保しようと誓い合った。帝を愛し国を愛する心が深く大きいためである。
◇
一 この政府というものは、人民のために設けられたものとみなす他はない。
わが党の目的は、ただ人民の普遍的人権を保護主張し、そして自主自由・独立不羈の人民たるようにすることに尽きる。
それは、帝と人民が一心同体となり、幸福と不幸、平和と緊張を分かち合い、そして互いにこの日本国を持続発展させていく道なのである。
◇
一 普遍的人権を確立しようというのは、天下の偉大な使命である。
常に各自の忍耐力を養い、たとえ艱難辛苦にさいなまれ続け、百度千度と挫折しようとも、少しも心折れ屈することなく、至誠の心と不動の志を保ち、われらの人生を懸けた天命の仕事として、ただ普遍的人権を保護主張することに力を尽くし、そして死にゆく他に道はない。
◇
以上のとおり、誓い合うものである。
―――――
*19世紀後期、中国では清朝に対する反乱・太平天国の乱(1851-1864)が起こり、インドでは大英帝国に対するインド大反乱(1857-1859)が起こった。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e317133.html
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【現代語訳】
Mon, 30 Apr 2018 00:28:09 +0900
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2017-07-05 「『紅い宝石』は過度な返礼?」@山形新聞
『紅い宝石』は過度な返礼?
(2017年7月5日 山形新聞採用)
今年もさくらんぼの季節を迎え、地元果樹農家は年に一番の稼ぎ時だ。近年はふるさと納税による他地域からの需要が伸び、山形の魅力発信と地域経済の活力につながっている。
だが、喜んでばかりはいられない。今年春、総務省が「過度な返礼」を戒める助言を自治体に発した。いわく、宝飾品のような資産性の高い品は、返礼に送らないように、と。
万が一にも、「紅い宝石」と称される県産さくらんぼは“資産性の高い品”として政府に禁じられてしまうおそれはないか。
いや、笑い事ではない。あるものをないと言ってのける政府である。しかも吉村知事は政府のアリガタイ助言に一矢報いてしまった。目をつけられたかもしれない。
資産性というのも、花も実もない話ではない。遠方の人にとっては、さくらんぼが資産にも感じられることを否定はできない。私が京都で学生をしていた頃、女子学生たちに東根の佐藤錦を振舞ったところ、奪い合いの様を呈したことから明らかだ。念のため付け加えると、奪い合われたのは私ではなく佐藤錦のほうである。
私が首長ならば、政府の助言に迎合し「さくらんぼは資産にあたるか、はたまた『紅い宝石』とは事実に反する表現か、地域の命運を左右する課題として真剣に検討したい」と述べるであろう。そして政府に倣い、国民が納得する調査結果をすぐに明らかにしたい。
〔政府・総務省への皮肉を利かせた問題作。〕
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e314173.html
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【Web/紙面掲載・寄稿】,新聞投書
Sat, 06 Jan 2018 22:43:50 +0900
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2017-12-06 「明治の若者に学び 主権者の役目を考える」河北新報
明治の若者に学び 主権者の役目を考える
(2017年12月06日 河北新報採用)
「人民が主権者であるならば、自分がもし国家の立場に立ったらどうするか、ということを絶えず考えなければならない」。石破茂氏が好んで引用する、哲学者・田中美知太郎の言葉である。
明治維新から間もない時代の日本には、その志で国のあり方を考え、一から憲法草案を作る若者たちがいた。しかも、全国各地に。東京のエリート官僚などではなく、地方の若者たちが自学自習を積んでいたのである。
そのうちの一人が、現在の栗原市に生まれた千葉卓三郎。仙台藩士として戊辰戦争を戦い敗者となった後、各地を流浪し西多摩の村里に教師の職を得る。彼の志を見込んだ地元の有力者がパトロンとなって資金を供給し、山村にあっても高価な書物を取り寄せたり講師を招いたりして学究を深めることができた。彼の書いた憲法草案「五日市憲法」は、当時蔑ろにされていた国民の権利を明記した先進的なもので、発見した後世の学者を驚かせた。
彼らの時代も今も、混迷の世だ。だからこそ自由の気風で望ましい国の姿を想像することが、私たち主権者の役目ではないだろうか。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e314170.html
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【Web/紙面掲載・寄稿】,新聞投書
Sat, 06 Jan 2018 22:30:38 +0900
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2017-06-29 「明治の『野党共闘』」@朝日新聞
明治の「野党共闘」
(2017年6月29日 朝日新聞採用)
国有地払下げ汚職、国民無視の条約交渉、市民運動の取締り……。今から約百三十年前、明治前期の日本を揺るがした社会問題である。当時も長州閥を中心とする一部勢力が権力を独占し、支配者に異を唱え自由民権を主張する運動は徹底的に弾圧された。
そんな世の中で、政権の横暴を阻止すべく「野党共闘」の実現を試みた人物がいる。かつて、坂本龍馬が考え出した大政奉還のアイディアを最後の将軍・徳川慶喜に提案した土佐の実力者、後藤象二郎だ。
その数年前から全国に広がっていた自由民権運動は、政権側による謀略もあり、板垣退助率いる自由党と大隈重信率いる立憲改進党とに分かれていた。自由民権運動が悲願としていた第一回衆議院議員選挙がようやく行われるのに備え、野党共闘で議会の多数を取る狙いであった。
後藤はこの構想を、遊説で訪れた山形で訴えた。やはり当時の地方社会でも、自分たちが関与できないまま東京の数人の首脳らによって操られていく政治に、やり場のない憤りが渦巻いていたのではないか。
その影響力を政権側に警戒された後藤は引き抜き工作を受け、それにあえて乗る形で政権側の一員となる。後藤というリーダーを失った自由民権派だが、それでも第一回衆院選で政権側を圧倒的に上回る議席を獲得した。
明治の地方の名士は、選挙によって政権の専横にNOを示した。果たして現代の人々にそれができるか、試されるときである。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e310524.html
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【Web/紙面掲載・寄稿】,新聞投書
Wed, 20 Sep 2017 00:18:13 +0900
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2017-04-27 「語り継ぐ 明治の英雄譚」@山形新聞
語り継ぐ 明治の英雄譚
(2017年4月27日 山形新聞採用)
時は明治初年。天下を奪った薩摩・長州をはじめとする新政府軍は、降伏を表明した旧幕府軍を執拗に攻め立て、東日本各地が戦場となった。戊辰戦争である。
会津藩と並び最後まで新政府軍と戦ったのが、われらが庄内藩。その忠義に感銘を受けた薩摩の西郷隆盛が、敗者となった庄内藩に寛大な処分を下したという。
美談のように聞こえるが、これには後日談がある。保護された庄内藩の支配者層はそのまま県の役人となり、あろうことか新政府の基準よりも厳しく百姓から年貢を取り立てたのだ。この仕打ちへの怒りは庄内中に広がり、政治運動となる。
払いすぎた年貢を精算すれば「ワッパ(当時の弁当箱)いっぱいの銭が戻るはずだ」というのが、農民から商人、良心派の役人までもを一体にしたこの運動の合言葉だった。巧みなコミュニケーション戦術もさることながら、正義のためには処罰をも恐れぬ地元のリーダーらが繰り返し政府や司法に訴えたことで、ついには領民側が返金を勝ち取る。その名も「ワッパ騒動」だ。
私財を投げ打ってこの運動に尽くしたのが、酒田きっての知恵者、森藤右衛門(もり・とうえもん)。当時の書物に、なんと福澤諭吉や板垣退助と並ぶ偉人として描かれている。
権力者だけが歴史のヒーローではない。無名の民の中にこそ、自他の苦境を見過ごさず、おかしいことをおかしいと言う勇者がいる。美談と対になる泥臭い英雄譚を、語り継ぎ範としていきたい。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e310523.html
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【Web/紙面掲載・寄稿】,新聞投書
Wed, 20 Sep 2017 00:07:50 +0900
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\万国のカナウチストよ団結せよ!!/ 「カナウチス党宣言」
「カナウチス党宣言」
2012年2月24日
前文
いま、我々 かな入力主義者「カナウチスト」は、ローマ字入力主義者「ローマジアン」によるかつてない圧迫を受けている!!いまや多くのPCのキーボードからひらがなが消え、誇り高きかな入力文明は衰亡の危機にある!!
カナウチスト諸君はこの趨勢を回天すべく、高らかにかな入力の合理性を叫び、不合理の帳に覆われているローマジアン達に導きの光を与えなければならない!!
第1条
かな入力は、打鍵数が少ない!!ゆえに合理的である。
――1音1打が基本であるかな入力と、1音2打が基本のローマ字入力を比べればその差は歴然!!我々はローマジアンによるやたらと多い打鍵音に誰もが苛立たせられない未来を望む!!
第2条
かな入力は、打鍵者の思考能力を最大限に発揮することができる!!ゆえに合理的である。
――未開なるローマジアン達は、思考と入力において「思考→言語(母語)化→文字/音声化→ローマ字化(+変則入力法(促音,小文字,"ぢ,づ"等)対応)→打鍵→確認・変換」という経路をたどることを強いられている!!我々カナウチストならば、ローマ字化と変則入力対応のステップに煩わされることなく、思考を直接的に表現することができる!!
第3条
かな入力は、誤打とその修正によるロスが最小限で済む!!ゆえに合理的である。
――ローマジアンが誤打する場合と、カナウチストが誤打する場合とを考えよう。
ローマジアンは、基本的に1音に2打を必要とし、その2打目を誤った場合2打打ち直す必要が生じる場合がある。さらにローマジアンの入力は拙速な傾向があるため、誤打に気づくのが次の音を打ってからであったり、当該文節末であったりする。その時点から後退キーで誤打箇所まで削除するというのは、文明における損失と言わずして何であろうか!!
それに比べ賢明なるカナウチストは、1打誤ったら1打打ち直せばよく、打鍵ペースが緩やかであるため、また第2条で言及したように余計な思考回路を使う必要がないため誤打や誤変換の認識も速やかである。なんと文明的ではないか!!
第4条
かな入力は、英文入力にも好影響をもたらす!!ゆえに合理的である。
――一部の邪なるローマジアンは、「ローマ字入力はアルファベットだから英文入力もしやすい」という邪説を吹聴することがあるが、これは以下の理由から誤っている!!
第1に、日常語感とローマ字語法と英語音の甚だしい混同をもたらすことである。顧みてもみよ!!我々の言語には多々の外来語が含まれ日常語感、ローマ字語法、英語表記がばらばらな場合があるのだ。
例えば、"simulation"という語である。日常語感としては「シミュレーション」であり、カナウチストはこの通り入力すればよい。英語の場合は英語音を想起し「simulation」だ。しかしローマジアンならどうか。日常語感「シミュレーション」を脳内でローマ字変換して「simyure-syonn」(ああ例示的に入力するのも禍々しい...)、この語法を覚えてしまっては英語の表記や発音を攪乱してしまうではないか!!よもや巷に聞かれる「日本人は英語が不得手」説はローマ字入力が元凶なのではないか!!
第2に、打鍵者の日本語と英語の切り替えが曖昧になることである。聡明なるカナウチストは、英文入力の場合は明確に思考と入力を英語モードに切り替えるのである。対してローマジアンは、普段からアルファベットを使っているがために思考と入力の切り替えに微妙さが生まれてしまうのではないか!!
結文
以上より、かな入力がローマ字入力に比してはるかに合理的であることは論をまたない!!
我々はここにかな入力の正統性を高らかに宣言し、万国カナウチストの団結を呼びかけるものである。
そして、不運にもローマ字入力に囚われし同胞たちに、かな入力という文明の光を、温かく差し伸べるものである。
いざ、理想に満ちたかな入力主義社会へ!!
かな入力とカナウチストに栄光あれ!!
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e310143.html
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【発表・演説】
Sat, 09 Sep 2017 15:37:23 +0900
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2017-04-14 「集団的自衛に誰が行くの?」@河北新報
集団的自衛に誰が行くの?
(2017年4月14日 河北新報採用)
宅配便業界で働き手が集まらず、運賃値上げやサービスの縮小を迫られているという報道は記憶に新しい。割に合わない労働環境が忌避された当然の結果だ。
この現象は、ひとたび決着したかに思われる集団的自衛権論議に示唆を与える。国際社会の安定に貢献だとか国家としての自立だとか抽象論が唱えられるが、当の担い手は雇えるのかという問題だ。
集団的自衛権容認の決定がなされた昨今、自衛隊の入隊志願者はどれほど減ったのか。その具体的な発動の気配が迫るほど隊員は減るだろう。「割に合わない」からである。
自衛隊員が不足するとなれば、まず何が起きるか。日本の自衛隊が現にもたらす最大の恩恵は、東日本大震災で克明となったように災害救援だ。高確率で到来するとされる南海トラフ地震のような広範囲的大災害に対し、自衛隊が十分救援できないとなれば、まさに国難の極みである。
防衛といえども、働く当事者の「割に合うか、合わないか」と無縁ではいられない。憂国の論者らはお国のためなら身を顧みない志士を想定しているのかもしれないが、私を含む現代人は狡猾である。集団的自衛権の論議では、隊員が減ることによる現実的リスクに目をつぶってはならない。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e310142.html
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【Web/紙面掲載・寄稿】,新聞投書
Sat, 09 Sep 2017 15:03:17 +0900
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2017-03-18 「新品種の名 歴史の妙」@山形新聞
新品種の名 歴史の妙
山本泰弘 研究者 30
(2017年3月18日山形新聞掲載)
同じ党派といえど劇的な戦果を挙げる者が党主流派から警戒視されたり、権力者がその兄弟を謀殺するというのは、現代に限ったことではなく歴史の常と言えよう。*
約八百年前、それらの運命を背負った男たちが、出羽国へと足を踏み入れようとしていた。誰あろう、幼名を牛若丸という源九郎判官義経と、同じく幼名鬼若丸の武蔵坊弁慶である。
鎌倉将軍源頼朝に追われいわば全国指名手配中の彼らは、羽黒山を目指す旅の山伏になりきり、決死の演技で関所の突破を試みる。関守は、彼らの正体を見破りつつもその覚悟に絆され通行を許す。
伝承によれば、歌舞伎「勧進帳」に描かれるこのドラマの舞台は、鶴岡市旧温海町の鼠ヶ関。悠久の時を経て、いま庄内から生まれた米の新品種が「雪若丸」と名づけられたことには、歴史の妙を感じざるを得ない。
熾烈な市場に散るか、海を越えて覇王となるかは、後世の瞳のみぞ知る。
(*当時、小池百合子都知事の活躍や金正男氏暗殺事件が話題であった。)
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e310140.html
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【Web/紙面掲載・寄稿】,新聞投書
Sat, 09 Sep 2017 14:56:40 +0900
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2015-12-25 「東根の『発展』に思う」@山形新聞
東根の「発展」に思う
東根市 山本泰弘 公務員
(2015年12月25日 山形新聞掲載)
順風満帆のように思われる近年の東根市の発展。内外から評価の声が聞かれるが、その結果として「将来に残る情緒的な都市空間」を育めているだろうか。
私は大学進学とともに地元を離れ、今年転職により帰郷したUターン者だ。毎年帰省するたびに、新築住宅が増えていく郷里の変化を目の当たりにし喜ばしく思っていた。が、それとともにそこかしこのさくらんぼ・りんごの畑や田んぼが潰され消えゆくことに、これでよいのだろうかという不安も胸をよぎる。
まちづくり政策の専門家である足立基浩・和歌山大学教授は、地域の経済やコミュニティがしっかり残る英国のまちづくりと日本のそれとを比較して言う。英国は、地域の中心部に投資を積み重ねる政策がとられているのだと。その結果各地の小都市には伝統的な街並みの中に地元商店や全国チェーン店がおしゃれに共存する「歩いて巡れる商店街」が形成され、住民は日常的に回遊する。それだけの魅力と情緒が養われるのだ。
他方日本の地方都市は、開発が郊外へ郊外へと薄く広がり、街の中心が定まらず衰退しやすい。中核が曖昧な都市は、ひとたび発展の勢いが陰るとボロボロと虫食い状に劣化していく。
東根の発展は、すでに日本の多くの地域が踏んだ轍をたどってしまわないか。都市の規模の拡大に満足するのではなく、中心部に投資を集中させ、地域内外の人がそこに浸って東根を味わえる景観・雰囲気・情緒を備えた街路空間を形作ることが急務だ。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e310139.html
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【Web/紙面掲載・寄稿】
Sat, 09 Sep 2017 14:47:18 +0900
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1875 【現代語訳&講釈】竹下弥平憲法構想
竹下弥平憲法草案(1875(明治8)年、「朝野新聞」掲載)
現代語訳、解説:山本泰弘
原文(文語)参照元:「竹下弥平の憲法草案」、久米雅章 他『鹿児島近代社会運動史』、
南方新社、2005年、Pp.54-57。
現代語訳のみはこちら
(導入文)
わが帝国において神聖な賢者である天皇からのメッセージには、「天が君主を設けるのはただただ国民のためである。君主のために人民がいるのではない」とある。
中国の古の賢者もまた、「世界は人々みんなの世界であって、誰か一人のものではない」と言っている。欧州の古い言葉にも、「わが国は愛すべきだ。ただし、自由というものはわが国よりも愛すべきだ。わが身は滅びても、わが国が滅びることはない。わが国が滅びるとしても、自由というものは滅びることはない」とある。
私は幼い時、これらの言葉を聞き、心のうちにこう思った。これらの教えはまさに理にかなった真理だ。しかしその真理は必ずしも実行できるわけではない。わが国は、天性の英雄が現れでもしない限り、どうして過去二千五百年のしきたりを思い切って刷新し、先の言葉が示す真理というものを実行できるというのか。
数年前の戊辰戦争で幕府は転覆したが、時代に逆らう古い頑固なしきたりや考えは、倒幕派の錦の御旗のもとに一掃された。これにより日本国内は一変し、かつての藩は一斉に新政府の県に替わった。この明治維新に当たって天皇が自ら出した「公共のあらゆる選択や判断については、オープンな議論で決める」などとするメッセージは、先に紹介したような、いかなる時代や社会にも通じる普遍的な真理に基づくものだ。明治維新は、その真理を実行に移す契機であった。私が幼い頃に疑わしく思ったことは、みるみるうちに解決してしまった。
ここでさらに気合を込めて、この自由民権の真理がますます発展し、欧米先進国と並ぶ水準に至ることを望む。その方向で七年経ったものの、政治改革は調子が狂ったかのようだ。私がかつて山よりも重く鉄よりも固いと常々信じていた、維新の基礎である自由民権の誓いがうやむやになってしまうとは。読者のみなさんも疑わしく思われるだろう、自由民権の真理は現実のものになるのかと。
そんな中、人々の代表による議会を開こうという議論が起こっている。それにどんな利点や欠点があるのか、期はすでに熟したかまだ早いかなどについて賢人たちが議論している。ただ、細かいことにこだわっている場合ではない。あえて言おう、神聖な自由民権の誓いがうやむやにされようとしているときに、それを甦らせるものは議会の他に無い。自由民権の真理が封じ込められようとしているときに、それを救い出すものは議会の他に無い。
その議会について私が切望する原則を、条文にして記す。
第一条
明治二年の戊辰戦争終結以来七年経つが、確かに国は歩みをまた一歩進め、君子豹変すべきはまさにこの時である。故にわが帝国は、ますます朝廷の政策を広く深く行き渡らせ、わが帝国の福祉を大きく進展させられるような憲法を確固として定めるべきである。
竹下弥平は、憲法を定める目的を第一条に持ってきている。まずこの憲法は何のためかを宣言するのだ。
竹下の憲法でそれは、「わが帝国の福祉を大きく進展させ」ること。「福祉」とはこの時代では「幸福」のことだ。帝国も、朝廷つまり君主も、それらが行う政策も、(人々の、と言い切れないところが微妙ではあるが)幸福のためにあるのだということを確認しているように思われる。
最近の日本でも、「幸福」とは本当は何だろうかと問われている。「幸福の国」として一時期ブータンが人気になったり、自治体で「幸福度」を数字に表そうという試みもある。「住みたい街ランキング」や「主婦が幸せに暮らせる街ランキング」というのも幸福への関心の表れと言えるだろう。
国や社会について考える上で、「幸福」に立ち戻るというのはいつの時代も共通なのかもしれない。
その一方で、この第一条は「裏読み」することもできる。
「君子豹変すべきはまさにこの時」というのは、「天皇さん、憲法を定めるご決断を!(今でしょ!)」というメッセージを含んでいる。幕府から朝廷に政権交代なされたわけだが、それを押し進めた側の薩摩人の目からも期待したほどには世の中が変わっていっているように思えない。このことは二文目の「ますます朝廷の政策を広く深く」というくだりからも感じ取れる。遠回しにもっと思い切ってほしいと言っているのだ。
第二条
第一条に言う憲法を定めるのは、五箇条のご誓文の趣旨を拡充するためであるから、立法権を議院(すでに在る左院・右院を改め、新たに設ける左院・右院)にすべて委任するものとする。
この時代、憲法を定めようと訴える民間人(政府中枢ではない人)の多くは、朝廷が出した「五箇条のご誓文」に、「広く会議を起こし、オープンな議論で政策を決めよう」と述べられていることをその理由としていた。朝廷が自らこのように言っているんだから、それに則って議論や政策決定の大原則である憲法を決めるべきでしょというわけだ。議論する場である国会を開くべきでしょというのも同じロジックだ。
この少し後の時代に国会や憲法を要求する運動が盛り上がってくると、「天皇さんのそばにいる政府の重役は、天皇さんの志を邪魔してるんじゃないか?」という見方が広まることになる。明治になってからも依然天皇が想像上の存在であった一般の人々からすれば、そのダイレクトメッセージである「五箇条のご誓文」はそれほど重んじられていたのだ。
また、この草案が新聞に載る直後まで、政府の三大権力である立法(法律を作る)・司法(裁判をする)・行政(政策を行う)は太政官といういわば天皇側近の重役会議が全て支配することになっていた。近代的な国家ならそれらは分離するのが常識的ルールとなっているが、竹下はそれに従う形で太政官から立法権を引き離し独立させようと書いた。天皇やその側近が自分たちだけで勝手に国を操ってしまわないような仕組みを入れようとしたのだ。
これら三つの権力の分離はすでに当時の政府が予定していて、この年のうちに形式的には実施された。しかし竹下の「立法権を議院(議会)にすべて委任する」という書き方は、本来の憲法のあり方にとても忠実で、それゆえに結局昭和戦争終結までの日本(大日本帝国)はそれができなかった。
本来憲法は、「君主が勝手に権力を振るわないためのルール集」としての意味を持つ。だから君主が勝手に法律を作ることはできないし、「君主のご意向だ」として政府が勝手に法律を作ってもいけない。法律は国民の代表が集まる議会で決定するのが現代の憲法の基本だ。
しかし大日本帝国の憲法では、法律を作る権限はそもそも天皇にあり、議会はそれに賛否を示す存在とされていた(法律は議会の賛同が必要、ということにはなっていた)。
第三条
左院は定員を百人とする。
定員の三分の一は各省の官僚(奏任官四等以下七等まで・判任官八等から十等まで)のうち、担当の仕事に熟練しかつ才能と見識を備えた者を、省ごとに若干名選び出して議員とする。
別の三分の一は、現在の社会一般において著名人として知られた功労者、旧参議・旧諸公のような在野の有識者、および博識で卓見な諸先生(例えば福澤諭吉、福地源一郎、箕作麟祥、中村正直、成島柳北、栗本鋤雲のような知識人・言論人)から選挙して議員とする。
別の三分の一は、府県の知事・令・参事に命じて、その地域において俊秀老練で、民間社会を熟知し、地域の利害についてことごとく把握する者を選挙させる(これも最初は太政官より地方官に通達して適正に選挙するよう注意する。この小節については各地の地方官が適宜に選任することも妨げない。議院が設立された後には、別に詳細な選挙法を設ける必要がある。それについては別に述べよう)。選ばれた者は各府県の令・参事とともに代議員となって議会に出るものとする(後日、議院を選ぶ法律を整備するまでの間は、令・参事を併せて地方選出議員として取り扱わなければならない)。
比較的庶民に近いほうから議員が選ばれるこの「左院」は、下院、今の日本で言う衆議院にあたる。
はじめの三分の一は中級までの官僚から議員を選ぶということ。今の国会議員も官僚出身者がだいぶ多いから、似通っていると言えるだろう。
次の三分の一はユニークだ。この時代を想像するに、「功労者」や「有識者」としては維新の志士である西郷隆盛や木戸孝允(彼らは「参議」としてすでに政治の中枢にいたが)、旧幕府側では勝海舟や徳川慶喜、そして各地の殿様が想定されたのではないだろうか。
ここで、「旧参議・旧諸公」と書かれているのに気づく。「参議」は、右のように幕府打倒に活躍し新政府の中心となった人々が占めていた役職だ。一方「諸公」は、各地を治めてきたいわゆる殿様である。幕府を終わらせた新興勢力と、地域に根ざした在来勢力をともに議会に入れて共存を図りたいという願いが込められているように思う。
そして「諸先生」として名前が挙げられているのは、それまで表立っては政治に関わることがあまりできなかった学者やジャーナリストらだ。
福澤諭吉は言わずと知れた思想家かつ教育者であり、1875(明治8)年当時は驚異的ベストセラー『学問のすすめ』の著者としていわば時の人だった。
福地源一郎はジャーナリストや作家として活躍した人であり、明治政府VIPの海外視察ツアーである岩倉使節団や西南戦争にも役人として同行した。
箕作麟祥は、法律の元祖を築いたとも言われる法学者であり、学制、民法、商法など法典作りに大きな役割を果たした人だ。
中村正直は、サミュエル・スマイルズの『Self Help』(邦題『西国立志篇』または『自助論』)や、ジョン・スチュワート・ミルの『On Liberty』(邦題『自由之理』または『自由論』)といった当時の西洋思想を代表する本を翻訳した学者だ。これらは福澤の『学問のすすめ』と並ぶベストセラーだったという。ちなみにお茶の水女子大学の祖(前身の女子高等師範学校初代校長)でもある。
成島柳北は文筆家・ジャーナリストで、自由民権派を代表する新聞「朝野新聞」を創刊した人。明治政府の言論弾圧に抵抗する記事を繰り返し載せ、禁固刑、罰金刑、新聞発行停止処分を食らっている。
栗本鋤雲は医師から江戸幕府の重役になった人で、幕府最後の局面で外交交渉を担っていた。その手腕から明治政府からもスカウトされていたが、幕府に恩を受けたからとしてそれを断ったという。その後は当時の有力紙「横浜毎日新聞」や「郵便報知新聞」のジャーナリストとして活躍した。
このような才能を持つ人々を言い表す言葉が無かったから、竹下は「誰々のような先生」と書くしかなかったのだろう。「ジャーナリスト」や「思想家」という言葉など無かった時代であり、さらに言えば新聞というものも今のように地位が確立したメディアではなかった。(想像するに、現代におけるブログや同人誌と同じ程度の存在感ではないだろうか?)
新しい時代には伝統的な権力者よりも、視野が広くいろいろな考え方や外国の事情を熟知する学者やジャーナリストに存在感を発揮してもらいたいとの願望が込められているのだろう。
残る三分の一は、地域の代表者を選び出すこととなっている。「地域の利害についてことごとく把握する者」を選ぶとはっきり書いていることにも注目だ。
現代の日本の国会は、国全体(や広域ブロック)で選ばれる(比例代表選出)議員と、各地域から選ばれる(選挙区選出)議員とがバランスよく構成するようになっている。
各地を治めていた藩が無くなって、日本という統一国家が始まったこの時代、日本全体の利益を考える人と並んで地域の利益を考える人をしっかり議会に入れようという発想はなかなか思慮深いものと言えるだろう。今の日本の国会に規定されている国と地域のバランスを先取りしたとも言える。
第四条
右院の議員は、現在勅任官以上の行政官の者および皇族・華族の中より選挙(第三条の記述に同じ)されるものとする。その定員は百人に限定する。ただし、司法官と武官は議員になれない。
貴族の身分を持つ人を中心とするこちらの「右院」。皇族・華族(前に挙げた「各地の殿様」はここにも含まれる)だけでなく最上級の官僚も合わせた中から選ばれることとなっている。
江戸時代には全くと言っていいほど政治に関わらなかった皇族や公家(くげ。朝廷に仕える各種の伝統芸能や儀礼の専門家)だけの中から選ぶのでは不安があったからか、これまでの時代の統治のプロである各地の殿様(またもや登場)と、新政府の司令塔である上級官僚を加えたのではないだろうか。
竹下は議会の制度を詳しく書いてはいないが、右院のメンバーが政治に疎い人々ばかりであれば、竹下が工夫を凝らして構成した左院の決定を全て阻んでしまうかもしれない。近年の日本もいわゆる「ねじれ国会」となり、衆議院と参議院の議決が異なって法律が作られない時期があった。
なお、ただし書きの「司法官と武官は議員になれない」というのは権力分立の基本だ。先ほど君主や政府が法律を決めてはいけないと書いたが、司法つまり裁判所や軍が法律を決めてもいけない。簡単に言えば裁判所は裁判で、軍は武力で人に強制力を発揮できる。そういう力を持つ人々が法律を決めるのに参加してしまうと、その力で国民を取り締まる方向の法律が作られやすくなってしまう、という懸念がこのルールの理由だ。
第五条
太政大臣(行政の長)および左大臣・右大臣は左右両院の選挙によって定めるものとする。
太政大臣は、今で言う総理大臣。左大臣・右大臣は副総理に当たる。
総理大臣を国会での投票で選ぶというのは、まさに今の仕組みそのままだ。実際の明治憲法ではどうだったかというと、表向き天皇が任命することになっていたものの、実態はいわば「密室」。選ぶための決まりが無く、政界の長老である「元老」(後に「重臣会議」)のメンバーが話し合いで次の総理大臣を決めていた。
その点、竹下の案は最も基本的でわかりやすい。天皇(というかその裏方となって物事を決めてしまう人)を介在させることなく、シンプルな仕組みで国民の代表が決まるようになっている。
第六条
左院・右院を、開会・閉会するのは、天皇陛下の特権である。
ここは天皇の出番だ。天皇は「広く会議を起こし、オープンな議論で政策を決めよう」としているのだから、その場である議会の開会宣言を行い、オープンな議論をしなさいと太鼓判を押すイメージだ。ここは君主としての特権の振るい所といったところだろう。
これも現代の国会で行われていることで、毎年2,3回、天皇さんが国会の開会式で「おことば」を述べている(ただしこちらは君主としてではなく日本国民の象徴として行う儀式であり、竹下の「帝国」像とは意味合いが異なる)。
いずれも、国の政治のおおもとの責任者(「主権者」)が、議会に意思決定を委ねることを表すものだ。
第七条
帝国の歳入・歳出を定める特権は左右両院にある。
第八条
帝国の憲法を定める、もしくは改訂・加筆・削除することは一切すべて左右両院の特権である。よって、たとえ行政官、司法官、武官が、どのような権威をもってしても、どのような場合であっても、議院の持つ立法の権限をわずかでも侵害することは決してできない。このことは、国を立てるにあたり最も重んじるところである。
憲法を決めたり変えたりできるのは誰か。憲法というものが、教科書上の、ある意味雲の上の存在のように思われる私たちにとってはビシッと答えにくい問いだ。本来の正解は国民だが、行政のトップである内閣や、裁判所が、憲法に関する微妙な問題を(「憲法の解釈」という手段で)先んじて片付けてしまっている現実もある。
そこに、やはり憲法の基本に忠実な竹下の条文は響いてくる。憲法を決めるのは国民の代表を集めた議会。行政も、裁判所も、軍も、手出しをすることは許されない。竹下はあくまで議会を中心にした国のあり方を考えた。
(ただし現実的には、裁判所が議会の無謀な立法を止める仕組み(「違憲立法審査権」)が必要である。これが無いと議会は少数者の権利を侵害する立法ができてしまう。)
せっかく憲法のもと国民の代表者が集まる議会で憲法や法律が決められるという仕組みが始まっても、少しするとそれが建前になって実際は官僚や軍が国を動かすようになった、という悪いシナリオを封じるための条文だ。
明治憲法にはこの基本が甘かったために、軍が政治に強い力を持ち昭和戦争への道を突き進むことになった。そして現代も、政治における官僚の力が強すぎるんじゃないかと言われ続けている。
竹下の書いた基本に忠実な憲法案は、いつの時代にも通用する「不朽の基本」なのだ。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e310137.html
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【現代語訳】
Sat, 09 Sep 2017 13:34:57 +0900
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1881 【現代語訳】千葉卓三郎「五日市憲法(日本帝国憲法)」
五日市憲法草案(日本帝国憲法、1881年起草(伝)、1968年発見)
現代語訳:山本泰弘
底本:あきる野市デジタルアーカイブ所蔵 五日市憲法草案書き下し文
〔自由民権現代研究会 私擬憲法リマスター 掲載〕
日本帝国憲法
第一篇 国帝
第一章 帝位相続
第二章 摂政官
第三章 国帝権理
第二篇 公法
第一章 国民権理
第三篇 立法権
第一章 民撰議院
第二章 元老議院
第三章 国会権任
第四章 国会開閉
第五章 国憲改正
第四篇 行政権
第五篇 司法権
日本帝国憲法
陸陽仙台千葉卓三郎草
第一篇 国帝
第一章 帝位相続
1.1.日本国の帝位は、神武帝の正統な後継者である現在の帝から、その子孫へ代々受け継がれる。帝の後を継ぐ順序は、次の条文のとおりとする。
1.2.日本国の帝位は、帝の正妻との間の男子およびその男系の子孫に代々受け継がれる。帝と正妻との間に男子がいなければ、他の妻との間の男子およびその男系の子孫に代々受け継がれる。
1.2.日本国の帝位は、嫡皇子(皇后との間の男子)及びその男系に代々受け継がれる。その該当者がいないときは嫡衆子(皇后以外の正室との間の男子)及びその男系に代々受け継がれる。その該当者もいないときは庶皇子(側室との間の男子)及びその男系に代々受け継がれる。
1.3.帝に男子がいないときは、帝位は帝の兄弟及びその男系に代々受け継がれる。
1.4.帝に男子も兄弟もいないときは、帝位は帝の伯父・叔父(帝の父の兄弟)及びその男系に代々受け継がれる。
1.5.帝に男子も兄弟も伯父・叔父もいないときは、帝位は皇族の中で現在の帝に最も血縁が近い男性及びその男系に代々受け継がれる。
1.6.皇族に男性がいないときは、帝位は皇族の中で現在の帝に最も血縁が近い女性に受け継がれる。ただし、女帝の配偶者は帝の権限に関与することができない。
1.7.以上の帝位承継の順序は、総じて年長者は年少者に、嫡出子(正妻との間の子)は庶子(側室との間の子)に、子は親に優先する。
1.8.特殊な事情により、以上の帝位承継の順序を超えて帝位継承者を定める必要があるときは、帝はそのことについて国会に提案し、国会議員三分の二以上の賛成で可決されることが必要である。
1.9.帝室及び皇族の必要経費は、国が相応の額を提供することができる。
1.10.皇族の地位は、三代まで受け継がれる。四代目以下は姓を得て一般平民となる。
第二章 摂政官
2.1.帝は、満18歳で成人となる。
2.2.帝は、成人に達するまでの間は摂政官を置くことができる。
2.3.成人した帝であっても、自ら政務を行うことができない事情があり、国会がその事実を認めたときは、その事情が存在する間は摂政官を置くことができる。
2.4.摂政官は、帝もしくは太政大臣が皇族の近親者の内から指名し、国会で三分の二以上の賛成で可決されなければならない。
2.5.成人した帝が自ら政務を行うことができない場合で、次の帝位継承者が満15歳に達しているときは、その人物を摂政官に任じる。この場合は、帝もしくは太政大臣から国会に通知すればよく、議決は必要ない。
2.6.摂政官は、その地位にある間、名誉や爵位を授けることや軍の儀礼に関すること以外の帝の権限を代行する。
2.7.摂政官は、一般には満21才以上の成人でなくてはならない。
第三章 国帝の権利
3.1.帝の身体は神聖であり侵害することはできず、何らかの責任を負うことはない。もしも帝が国政に関し行ったことにつき国民に対して過失があった場合は、担当の国務大臣がその責任を追う。
3.2.帝は、立法・行政・司法の三部門を総じて取り締まる。
3.3.帝は、自らの意思で執政官を任用・免職する。また、元老議院の議員及び裁判官を任命する。ただし、終身官・終身議員は法律に定められた場合を除いて免職することができない。
3.4.帝は陸海軍を総じて監督し、武官を配置し軍隊を整備して必要に応じこれらを派遣することができる。ただし、それらの昇進・免職・退職については、法律により定められた規則に則って帝が決定する。
3.5.帝は、軍隊に対し憲法に違反する行為をさせることはできない。かつ、戦時下でないときは、元老議院・民撰議院の承諾がなければ国内に臨時に兵隊を配備することは決してできない。
3.6.帝は、貨幣を製造・改造する権限を持つ。貨幣については、法律で詳細を定める。また、帝自身の肖像を貨幣に入れることができる。
3.7.帝は、爵位や貴族の位を授けたり、法律に則って勲章や栄誉などを授けたり、法律で定められた範囲の恩賜金を授けたりすることができる。ただし、国の支出でこれらの費用を賄う場合は、国会の可決がなければならない。
3.8.帝は、何も義務の生じない外国の勲章などを受けることができる。また、帝の承諾があれば皇族もそれらを受けることができる。ただし、いかなる場合でも、帝に仕える者は帝の許しなくして外国の勲章や爵位、官職を受けることができない。
3.9.日本人は、外国の貴族の称号を受けることができない。
3.10.帝は、特命を発して、すでに決着した刑事裁判を白紙化し、いずれの裁判所にでも裁判をやり直させる権限を持つ。
3.11.帝は、裁判官の判決により処された犯罪者の刑罰を軽減したり免除したりする権限を持つ。
3.12.帝は、重罪の刑に処されて生涯にわたり公民権を剥奪された者に対し、法律の定めに則り国会に提案し可決を得て、罪を許し権利を復活させることができる。
3.13.帝は、全国の裁判を責任を持って監督し、それらが万全になされるよう見守る。また、法で定められた罪を犯す者があるときは、帝の名をもって追跡・逮捕・求刑し、断罪する。
3.14.司法関係者を告訴する者があるときは、帝はその訴えを聴き、参議院の意見を求めた後に、訴えられた者を停職にすることができる。
3.15.帝は、国会を開くよう求め、国会の開会・閉会、延期を行う。
3.16.帝は、国益のために必須と判断するときは、国会が開かれていないとき臨時に国会を開くことができる。
3.17.帝は、法律案をはじめ、自ら適切と思う議案を国会に出す。
3.18.帝は、国会の決議を得ることなく特権によって外国との各種の約束を結ぶことができる。ただし、その約束が国民に密接に関係し、または国の財産を費やし、もしくは国の領域を変化させる条約及びその修正である場合は、国会の承諾がなければ効力を持たない。
3.19.帝は、戦争の開始を宣言したり、戦争の講和を行ったり、その他国家間の友好・同盟などの条約を結んだりする。ただし、そのことを直ちに国会の両院に通知しなければならない。かつ、これらの他にも帝が国家の利益や安寧と密接に関わると考える行為については、行ったら直ちに国会の両院に通知する。
3.20.帝は、外交事務を総じて取り締まる。外国に派遣する使節、公使、領事を任命・免職する。
3.21.帝は、国会が決議して行った提案について、認めるか拒否するかの判断を下す。
3.22.帝は、国会の決議に印鑑を押して最終決定することをはじめ、立法権に属するあらゆる職務について最終判断し、それらを法として公布することができる。
3.23.帝は、日本国内に外国の兵隊が入ることを許可することと、後継者に帝の座を譲るために退位することの二つについては、特別の法律に従って国会の承諾を得なければ行うことができない。
3.24.帝は、国の安寧のために必要な場合には国会の各議院(民撰議院・元老議院)を停止し解散させる権限を持つ。ただし、議院を解散させるのと同時に、40日以内に新しい議員を選挙するとともに2か月以内に議院を新たに開始することを命じなければならない。
第二篇 公法
第一章 国民の権利
4.1.次に掲げる者を日本国民とする。
①日本国内で生まれた者
②日本国外の生まれでも、父母が日本国民である者
③日本国に帰化した外国人 ただし、帰化外国人が得る権利は別途法律で定める。
4.2.次に掲げる者は、政治参加の権利を停止する。
①心身に重大な障害がある者
②禁錮刑・流刑の判決を受けた者 ただし、刑期が終われば政治参加できる。
4.3.次に掲げる者は、日本国民の権利を失う。
①外国に帰化し、外国の国籍となった者
②日本国の帝の許しを得ずに、外国政府から官職・爵位・称号・恩賜金を受けた者
4.4.日本国民は、各自の権利と自由を享受できる。これは他から妨害することはできない。かつ、国の法はこれを保護しなければならない。
4.5.日本国民は、憲法が定める一定以上の財産や知識がある者は、国の政治に参画して賛否を発言したり議論したりする権利を持つ。
4.6.日本国民は全て、民族・戸籍・地位・階級の違いを問わず法律のもとに平等の権利を持つ。
4.7.日本国民は全て、日本全国において同一の法が適用され、同一の保護を受ける。特定の地方・家系・個人に特権が与えられることはない。
4.8.日本国に居住・滞在する人は、日本国民か外国人かを問わず全て、身体・生命・財産・名誉を保護される。
4.9.法律は、制定された時より過去に遡って適用されてはならない。
4.10.日本国民は全て、法律を守っていればいかなる内容でも、政府からの事前検査を受けずに自由に思想・意見・論説・図や絵を表現したり、出版・発行したり、世間の人々に講談・討論・演説したりして公に広めることができる。ただし、その弊害を防止するために必要な措置を定めた法律に違反した場合は、その刑罰を受けなければならない。
4.11.思想の自由の権利に関わる犯罪は、法律に定める機会と方式に従って裁かれなければならない。思想表現による犯罪については、法律に定める特例を除き陪審員がその重さを判断する。
4.12.日本国民は、法律に定められていること以外は何らかのことを強制的にさせられたり止められたりしない。
4.13.日本国民は、個人でも団体でも、法律に定められた方法に従って、帝、国会、その他政府の機関に対して請願や提案を行う権利を持つ。そのような請願や提案を行ったことを理由に罪に問われたり刑を受けたりすることはない。もし、政府の行いや国民同士の関係、その他どのようなことでも、国民自身が不条理と思うことがあれば、帝、国会、その他いずれの政府の機関にでも請願や提案をすることができる。
4.14.日本国民には、華族・士族・平民のいずれかであるかを問わず、その才能や人物に応じ国家の官僚や軍人として就職する機会が平等にある。
4.15.日本国民は、どんな宗教であっても自由に信仰してよい。ただし政府は、常に国の安寧と宗教・宗派間の平和を保つために適切な行動をとることができる。また、国家の法律が宗教的なものであってはならず、そのような法律は憲法違反で無効である。
4.16.いかなる労働・工業・農耕でも、公の秩序や風俗に反し国民の安寧や健康を損なうものでなければ、禁止されることはない。
4.17.日本国民は、国の安寧を揺るがす手段や意図によらず、または武器を持つことなく、平穏に団体を作ったり集会を開いたりする権利を持つ。ただし、それらの行為による弊害(デメリット)を防ぐために必要な規則を法律で定める。
4.18.日本国民は、信書の秘密を探られることはない。法律の定めに基づき法のもとに適切な捜査の場合や、戦時中の場合、または裁判所の判断に基づく場合を除き、日本国民の信書を没収することはできない。
4.19.日本国民は、法律に定められた機会と規則に基づいた場合でなければ、身柄を拘束されたり、呼出・連行・監禁されたり、強制的に住居に踏み込まれたりすることはない。
4.20.日本国民各自の住居は、国内どこであってもその人の自由である。住居を他の者が邪魔してはならない。もし、家の主の了解なく、または家の中から招いたわけでなく、災害や危険を防ぐためでもないのに夜間に他人の家に侵入することはできない。
4.21.日本国民は、財産を所有する権利を持つ。いかなる場合であっても、財産を没収されることはない。公の規則に基づき、公の利益のためであることを証明し、かつその時点で適切な額の代金を前払いするのでなければ、国の機関に財産を買い上げられることはない。
4.22.日本国民は、国会において決定し、かつ帝が許可した場合でなければ、税を課されることはない。
4.23.日本国民は、その者の事件を担当する裁判官あるいは裁判所にでなければ、法の裁きを受けることはない。たとえ刑法やその他の法令上の規則に基づいていても、他の機関に裁かれることはない。
4.24.法律の条文に明記されたことでなければ、身柄を拘束されたり逮捕されたり、罪に問われたり刑罰を与えられたりすることはない。かつ、一度罪や刑が確定した事件について再び罪を問われ刑を与えられてはならない。
4.25.日本国民は、法律で定める場合を除いて、逮捕されることはない。逮捕する場合は、裁判官が署名した文書によって逮捕の理由と罪を訴えた者の名と証人の名を容疑者に知らせなければならない。
4.26.逮捕された者は、二十四時間以内に裁判官の前に出さなければならない。逮捕した者をすぐには解放できない場合は、裁判官がその理由を明記した文書を出すことで、拘束し続けることができる。その手続きは可能な限り迅速に、法律で定める期限内に行われなければならない。
4.27.逮捕され拘束された者が求めるならば、裁判官が示した事件についてすぐに控訴・上告できる。
4.28.一般の犯罪で逮捕された者は、法律の定めによって保釈される権利を持つ。
4.29.誰しも、正当な裁判官以外に罪を裁かれることはない。このため、臨時裁判所を作ることはできない。
4.30.政府に逆らった罪を理由に死刑とされてはならない。
4.31.法に基づかないで逮捕が行われた場合は、政府は逮捕された者に対して損害賠償金を払わなければならない。
4.32.日本国民は属性を問わず、法に基づいた徴集や募集に応じて海軍・陸軍の一員となり、日本国の防衛に当たることができる。
4.33.日本国民は誰しも、所有する財産の大きさに応じて国家財政を支える税金を負担しなければならない。皇族といえども、税負担を免除されてはならない。
4.34.日本国民は、国や公の機関の債務を負担しなければならない。
4.35.子の教育において、何をどのように教えるかは自由とする。しかし、子に初等教育を行うことは保護者の逃れられない責任である。
4.36.府県の首長は、国の法律によってその地位や権限が定められなければならない。府県の自治は各地の風習や慣例に基づくものであるため、それに対し干渉や妨害をすることはできない。府県の自治の領域は、国会といえども侵害することはできない。
第三篇 立法権
第一章 民選議院
5.1.民選議院は、選挙法によって定めた規定に従い、直接選挙によって選ばれた代議士によって構成される。人口二十万人に一人の割合で議員を選出する。
5.2.代議士の任期は三年とし、二年ごとに半数ずつを改選する。当選回数に制限はない。
5.3.次の全てに当てはまる者が、代議士として選ばれる資格を持つ。
①日本国民
②聖職者(神官・僧侶・宣教師・教員など)以外の者
③政治参加の権利を持つ者
④満三十歳以上の男性
⑤法律で定める額の財産を持つ者
⑥所有する土地から収入を得ている者
⑦法律で定める額の税金を納めている者
⑧文武の常識をわきまえた者
5.4.前条に示した条件を満たす日本国民のうち、半数は自らの居住する選挙区からのみ、もう半数は全国どこの選挙区からでも、代議士に選出されることができる。ただし、民選議員の代議士と元老議員の議官を兼ねることはできない。
5.5.代議士は日本国民全体の代表者であり、選出された選挙区の代表ではない。よって、選挙区民の指示に従う必要はない。
5.6.次のいずれかに当てはまるものは、民選議院の選挙で投票する資格を持たない。
①女性
②未成年者
③財産権が制限されている者
④知的障害がある者
⑤住居が無く、他人の使用人となっている者
⑥政府の助成金を受けた者
⑦犯罪により懲役一年以上の刑を受けている者
⑧失踪の宣告がされた者
5.7.民選議院は、日本帝国の財政に関する法政策案を作る特権を持つ。
5.8.民選議院は、過去の政策について検査しその悪影響を修正する権限を持つ。
5.9.民選議院は、行政官が出した法政策案を討論する権限を持つ。帝の提案を修正する権限を持つ。
5.10.民選議院は、必要な調査のために行政官や人民を呼び出す権限を持つ。
5.11.民選議院は、政策上の違反があると認めた行政官について、元老議院に訴えて処分させる特権を持つ。
5.12.民選議院は、代議士の身分について、次のことを判定する権限を持つ。
①代議士が民選議院の命令・規則・特権に違反するか
②代議士の選挙に関する訴え
5.13.民選議院の議長・副議長は、代議士の中から選出し帝の承認を得て決定する。
5.14.代議士は、議会で行った討論・演説について裁判に訴えられることはない。
5.15.代議士は、議会の会期中とその前後二十日間は、民事訴訟を受けてもそれに答弁しなくてよい。ただし、民選議院が承認する場合は、答弁しなければならない。
5.16.代議士は、議会の会期中とその前後二十日間は、現行犯の場合を除き、民選議院の承認がなければ逮捕・拘束されることはない。現行犯の場合も、裁判所は代議士を逮捕・拘束したら直ちに民選議院に通知し、民選議院にその事件についての真相究明と処分をさせなければならない。
5.17.民選議院は、議会の会期中とその前後二十日間は代議士の犯罪による身柄の拘束を停止させる権限を持つ。
5.18.民選議院の議長は、議院の事務官を任命・免職する権限を持つ。
5.19.代議士は、改選前の最後の議会で決定された額の給与を得る。また、特別の議決によって議会出席にかかった旅費を得ることができる。
第三篇 立法権
第二章 元老議院
6.1.元老議院は、帝の特権によって任命された議官四十名で構成される。ただし、元老議官は民選議院の代議士を兼ねることはできない。
6.2.満三十五歳以上で、次のいずれかの条件を満たす者のみが、元老議官になる資格を持つ。
①民選議院の議長
②代議士に三回選ばれたことがある者
③執政官または大臣
④参議官
⑤三等官以上に任命された者
⑥日本国の皇族または華族
⑦軍の大将・中将・少将
⑧特命全権大使または公使
⑨大審院・上等裁判所の議長、裁判官、または大検事
⑩地方長官
⑪国のために功績を挙げた者または能力と道徳において公に信認を得た者
6.3.元老議官は、議員の中から帝の特命によって任命する。
6.4.元老議官は、本人が生きている限りその地位を持つ。
6.5.元老議官は、一年に三万円以内の給与を得る。
6.6.帝の男子または皇太子の男子で、満二十五歳となって文武の常識を備えた者は、元老議官を務めることができる。
6.7.税金をかけるための議案は、まず民選議院において審議し、民選議院が決議したら元老議院がそれを再度審議する。このとき元老議院は、民選議院で決議された議案を可決するか否決するしかなく、議案を修正することはできない。
6.8.元老議院の制度や権限に関する法律案は、まず元老議院で審議しなければならない。このとき民選議院は、民選議院で決議された議案を可決するか否決するしかなく、議案を修正することはできない。
6.9.元老議院は、立法権を司るほか、次の三つの権限を持つ。それぞれの規則や手続きについては、法律で別途定める。
①民選議院からの訴えに基づき、大臣や行政官による行政上の不正を審判する。
②帝の身体または権威に対する重犯罪や、国家の安寧に対する重犯罪を裁判する。
③元老議官について裁判する。
6.10.元老議官は、議会の会期中、現行犯の場合を除いては元老議院の承認なく逮捕・拘束・裁判されることはない。
6.11.いかなる場合であっても、元老議官を逮捕・裁判するときは、直ちにそのことを元老議院に通知し、元老議院は議院の権限による処分を行う。
第三章 国会の職権
7.1.国家永続のための秩序を定める憲法を決定・修正し、最重要な三大制度の存続の判断を司る。
7.2.国会は、帝と、立法権を持つ元老議院・民選議院によって成り立つ。
7.3.国会は全て公開で行い、市民の傍聴を許可する。ただし、国益のためまたは緊急事態のため秘密会議を行う必要があるときは、議員十人以上が求めることでそれぞれの議院の議長が傍聴を禁止することができる。
7.4.国会は日本国民全てを代理する者として、法律を制定する立法権を持つ。ただし法律には帝の認可が必要である。
7.5.国会は、政府がもし憲法、宗教、道徳、信教の自由、個人の自由、法の下の平等、財産の所有権、もしくは法の原則に違反し、または国の防衛を損なうようなことがあれば、それを見逃さず反論し、事態発生時にさかのぼってその政策を拒絶する権限を持つ。
7.6.民選議院または元老議院が却下した法律案は、同じ会期中に再度提出することはできない。
7.7.国会は、政府の権限を定める公法と、国民同士の関係について定める私法を整備しなければならない。すなわち、国家に不可欠な建国制度、一般の私法、民事訴訟法、海上法、鉱山法、山林法、刑法、税の徴収と国家財政の原則、兵役の義務に関する原則などについて定めるとともに、国家財政の予算表を決定する。
7.8.国会は、政府が税をかけること、国営インフラの利用料金とその用途を決めること、国家の信用力によって国債を発行することについて認める権限を持つ。
7.9.国会は、行政機関の全てについて、法律や規則に違反していないか、実行した措置が適切であるか監督する権限を持つ。
7.10.国会が法案を議論する際は、帝がそれを中止させたり禁じたりすることはできない。
7.11.国会は、民選議院・元老議院ともに規則を設けて各院を取り仕切る権限を持つ。
7.12.国会は、議決によって①憲法に不足する条文を補う権限、②憲法に違反する政府の行動を矯正する権限、③新たな法律の制定や憲法の変更について発議する権限 を持つ。
7.13.国会は、全国民のために法律の内容を説明しなければならない。
7.14.国会は、帝、皇太子、または摂政官に、憲法と法律を守ることを宣言させる。
7.15.国会は、憲法に定める場合には、摂政を選出し、その権限を指定し、未成年である帝の後見人を任命する。
7.16.国会は、民選議院により訴えを起こされて元老議院の裁判で有罪となった閣僚を罰する。
7.17.①国会は、②国債を発行して資金を集める権限、③国の領地を売却したり領域を変更したりする権限、④府県を新設したり分割・合併したりする権限、⑤その他の行政区画を決定する権限 を持つ。
7.18.国会は、国家財政の歳入・歳出を計算した予算表を検討し、同意すればその予算は実行が認められる。
7.19.国会は、国の緊急事態において、政府の求めに応じ議員にその事態に関する特別な権限を指定し与える。
7.20.国会は、帝が亡くなったときまたは帝の座が空位となったときは、これまでの政策を検査し政策上の欠点を改正する。
7.21.国会は、帝国の領土または港に外国の軍隊が進入することの可否を判断する。
7.22.国会は、毎年政府の提案により、平時と緊急時の軍隊の最大規模を定める。
7.23.国会は、発行した国債を償還するために適切な方法を議論し決定する。
7.24.国会は、帝国に法律を施行するために必要な行政規則を決定する。
7.25.国会は、政府の官職とその給与を設定・改定・廃止する。
7.26.国会は、①貨幣についての規則 および ②長さ・容積・重さなどの単位 を設定する。
7.27.国会は、外国との条約について議決する。
7.28.国会は、兵役の義務を実行させる方法・規則・期限に関すること(特に、毎年集める兵士の人数、軍馬の調達、兵士の食料、陣地の規則)を議決する。
7.29.国会は、①政府の年間収支、②予算表の規則、③毎年各種の税をかけること、④政府の決算表と会計管理手続きの検査、⑤新たに国債を発行すること、⑥すでに発行した政府公債の変更、⑦国有地の売却・貸与、⑧独占販売その他特権についての法律 といった全国共通の会計関係の事務を定める。
7.30.国会は、貨幣(硬貨・紙幣)の発行に関する事務の規則、税関・貿易・電線・駅・鉄道その他国内外を連結する方法を議決する。
7.31.国会は、①証券取引、②産業規格、③長さ・容積・重さの基準となる定規・枡・重りの製造、④署名と印章の保護 についての法律を定める。
7.32.国会は、①医薬の法律、②伝染病防護の法律 を定める。
第四章 国会の開閉
8.1.国会は、両議院ともに必ず帝の命令によって毎年同時に開会しなければならない。
8.2.帝は、国の安寧のために必要と判断する場合には、両議院の①議決を認めない、②議会を中止する、③議会が混乱する場合は解散を命じる 権限を持つ。
ただし、解散を命じた場合は必ず四十日以内に新たな議員を選出し二か月以内に議会を再開しなければならない。
8.3.帝が亡くなって、国会を開会する時期になっても命令を出す者がいない場合は、命令がなくても議員が集合して国会を開くことができる。
8.4.国会の会期中に帝が亡くなった場合は、後を継いだ新たな帝が解散を命じるまでは解散せず通常の会議を続けることができる。
8.5.国会の会期が終わり、次の国会が開かれるまでの間に帝が亡くなった場合は、議員が集合して国会を開くことができる。もし後を継いだ新たな帝により解散を命じられなければ、通常の会議を続けることができる。
8.6.議員の選挙が終わった後、まだ国会が開かれない間に帝が亡くなり、国会の開会を命じる者がいない場合は、議員が集合して国会を開くことができる。もし後を継いだ新たな帝により解散を命じられなければ、通常の会議を続けることができる。
8.7.国会議員の任期が切れ、次の議員がまだ選挙されていないときに帝が亡くなった場合は、任期が切れた前の議員が集合して一期のみ国会を開くことができる。
8.8.各議院の会議は同時に行わなければならない。もしいずれか一方のみが会議を行った場合は、国会の権限を持たない。ただし、議員の裁判のために元老議院を開く場合は、法廷としての権限を持つので有効である。
8.9.各議院は、議員の出席が過半数とならなければ会議を開くことができない。
第五章 憲法の改正
9.1.国の憲法の改正は、特別会議において行わなければならない。
9.2.特別会議は、両議院の三分の二以上の議員の賛成で議決し、かつ帝の許可がなければ開くことができない。
9.3.特別会議を開くときは、民選議院は休会する。
9.4.特別会議は、元老議員と、憲法改正のために選挙された人民の代表の議員によって成り立つ。
9.5.憲法は、人民代表議員の三分の二以上、元老議員の三分の二以上の賛成で議決した上で、帝の許可がなければ改正することができない。
9.6.特別会議は、その回の議事が終われば解散する。
9.7.特別会議が解散するときは、その前に開かれた国会は通常の進行に戻る。
9.8.憲法を除く全ての法律は、両議院において出席議員の過半数の同意により議決する。
第四篇
第一章 行政権
10.1.帝は行政官を監督する。
10.2.太政大臣と各省の長官を、行政官とする。
10.3.行政官は内閣を結成し、政策を討議し、各人が省の長官(卿)となってその省の事務を司る。
10.4.政府が出す政令や規則には、太政大臣と、該当分野の省の長官が署名する。
10.5.太政大臣は、大蔵卿を兼任しなければならない。
10.6.太政大臣は、帝に伝達した上で大蔵卿以外の省の長官を任命・免職する権限を持つ。
10.7.各省の長官の序列は次のとおり。
①大蔵卿、②内務卿、③外務卿、④司法卿、⑤陸軍卿、⑥海軍卿、
⑦工部卿、⑧宮内卿、⑨開拓卿、⑩教部卿、⑪文部卿、⑫農商務卿
10.8.行政官は、帝の命令に忠実に政務を実行する。
10.9.行政官は、担当する政務について議院に対し責任を負う。もしその政務について議院の信頼を失ったときは、行政官を辞職しなければならない。
10.10.行政官は、法案を作成し議院に提出することができる。
10.11.行政官は、国会議員を兼任することができる。
10.12.行政官は、毎年国家予算に関する議案を作成し議院に提案しなければならない。
10.13.行政官は、毎年国家の決算書を作成し議院に報告しなければならない。
第五篇
第一章 司法権
11.1.帝は司法権を総括する。
11.2.司法権は独立して偏らず、法典に定める機会に、司法の規定に従って、民事・刑事事件を審理する裁判官・判事・陪審員が実行する。
11.3.①大審院(最高裁判所)、②上等裁判所、③下等裁判所 を設ける。
11.4.①民法、②商法、③刑法、④訴訟法、⑤治罪法、⑥山林法、⑦司法官(裁判官)の構成 は、全国同等とする。
11.5.上等裁判所・下等裁判所の①数、②種類、③各裁判所の構成と権限・任務、④その権限・任務を実行する方法、⑤裁判官に付与される権限 などは、法律で定める。
11.6.裁判所は、上等・下等いずれでも廃止・改組することはできない。その体系は、法律によらなければ変更してはならない。
11.7.裁判官は全て帝が任命する。判事は終身職として任命される。陪審官は訴訟事件の判決を下す。裁判官は法律を解釈・適用する。諸々の裁判は、裁判所長の名で実行・判決する。
11.8.郡裁判所以外は、帝の任命した裁判官で三年間在職した者は、法律に定める場合を除いて転任・降任させることができない。
11.9.裁判官は全て、法律に違反することがあれば各自の責任となる。
11.10.裁判官は全て、自らが犯罪の裁判を受ける場合を除いて、有期・無期を問わずその職を奪われることはない。また、①司法官(裁判所議長または上等裁判所)の決定によりまたは②十分な理由に基づく帝の命令で、罪状ある裁判官をその所属する裁判所に訴える場合を除いて、裁判官の職を停止することはできない。
11.11.軍事裁判・護衛兵の裁判は、法律で定める。
11.12.税に関する訴訟と法令違反の裁判も、同様に法律で定める。
11.13.法律に定める場合を除いて、審理・裁判を行うために例外的・臨時的な司法機関を設けることはできない。いかなる場合であっても臨時・特別の裁判所を開き、臨時・特別の検察役を仕立て、裁判官を任命して罪を裁くことをさせてはならない。
11.14.現行犯を除き、該当する事件を取り扱う司法機関が発行した命令書によらなければ、人を逮捕することはできない。もし職権乱用で逮捕することがあれば、逮捕を命じた裁判官とそれを請求した者を法律に定める刑に処さなければならない。
11.15.罰金または禁固の刑に問われる犯罪者は、判決までの間その身柄を拘束できない。
11.16.裁判官は、管轄内の訴訟を把握・判断しないままに他の裁判所に移すことはできない。このため、管轄を超える特別の裁判所やそのための専任職員を設けることはできない。
11.17.何人も、自らの意思に反して、法律で定める正当な裁判官・判事から隔てられることはない。このため、正当な裁判所のほかに臨時裁判所を設けることはできない。
11.18.民事裁判・刑事裁判において、法律を適用する権限は上等・下等裁判所に属する。ただし、上等・下等裁判所は①判決を下すことと②その判決が実行されるのを監視すること 以外の業務を行うことはできない。
11.19.刑事裁判においては、証人を呼んで質疑し、その他全て罪となる点が明らかにされた後に、訴訟手続きが進行する。
11.20.行政権と司法権との間に生じうる権限争いの裁判については、法律で規定する。
11.21.司法権は、法律に定める特例を除き、参政権に関する訴訟を審理する。
11.22.民事・刑事いずれでも、裁判所の法廷は法律に定める規定に従い、必ず公開しなければならない。ただし、国家の安寧や風紀に影響する場合は法律の定めにより例外とする。
11.23.裁判は全て、法廷を開いて理由の説明とともに判決を言い渡さなければならない。刑事裁判は、判決の根拠とする法律の条項を明示しなければならない。
11.24.政治犯に対し死刑を宣告してはならない。政治犯の罪の事実は、陪審官が判定しなければならない。
11.25.著述・出版の犯罪の重さは、法律に定める特例を除き陪審官が判定する。
11.26.法律で定める重罪については、陪審官が罪の事実と重さを判定する。
11.27.法律に定める場合を除き、何人も逮捕の理由を明示した判事の命令によらなければ逮捕してはならない。
11.28.判事の命令の規則と、犯罪者の訴追に従事する期限は、法律で定める。
11.29.何人も、法律で職務に付与された権限によって、かつ法律で指定された規定に従って行う場合でなければ、家主の意思に反して家屋に侵入することはできない。
11.30.いかなる罪があっても、犯罪者の財産を没収してはならない。
11.31.信書便を取り扱う機関に託された信書の秘密は、法律で定める場合に判事から特殊な許可があるときを除き、絶対に侵害してはならない。
11.32.公益のために財産の没収を要する場合は、事前に法律で公布しなければならない。
11.33.①要塞の建設、②堤防の構築・補修、③伝染病 その他緊急事態において前条の公布が無くても没収できる場合は、法律で指定する。
11.34.戦時・火災・水害に際し、即時に財産没収が必要な場合は、その持ち主は法律による公布と没収の事前補償金を要求することができない。ただし、没収の補償を請求する権利は損なわれない。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e306001.html
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【現代語訳】
Wed, 03 May 2017 00:00:00 +0900
-
2017-01 新年のご挨拶とご報告・ご案内
みなさま
――謹賀新年――
"出羽国庄内藩"こと山形県庄内に移住して2年目となりました、山本泰弘です。
一斉送信のご挨拶にて恐縮ですが、方々の旧年中のご厚意に篤く感謝申し上げますとともに、今後もご愛顧のほど何卒よろしくお願いいたします。
昨年秋から今までに、私にとり主に次の出来事がありました。
◆9月:東北芸術工科大学主催「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016」に出展
県立図書館エントランスで、「本の市」を開きました。
→山形県立図書館Facebookページ
https://www.facebook.com/YamagataPrefLib/posts/1817303881833952
◆9月:Webメディアに寄稿文掲載(2件)
明治時代にゼロから憲法を作ろうとした若者たちについて書きました。
→構想日本J.I.メールニュース No.774 2016.09.15 「明治の自主憲法」
http://www.kosonippon.org/mail/detail.php?id=784
→今こそ思え「明治の自主憲法」 — 山本 泰弘 – アゴラ
http://agora-web.jp/archives/2021592.html
◆10月:私の現代語訳文が、(一社)ユースデモクラシー推進機構 代表理事・仁木崇嗣氏のブログ記事に引用される
上記の歴史ヒーローたちの志を、現代に伝えます。
→アニメ「図書館戦争」が完全に自由民権運動だった話
http://niki.tech/democracy/183
◆12月:東北公益文科大学主催「地域課題解決全国フォーラムin庄内」にて、筑波大学の家具・家電等リユースプロジェクト「3E
EcoCycle(エコサイクル)」を報告
→発表スライド
http://www.slideshare.net/resolution2100/20161203-69908970
◆12月:日本サイエンスコミュニケーション協会年会にて、実践報告&ワークショップ実演
→筑波研究学園都市における「駅前キャンパス」の実践
http://www.slideshare.net/resolution2100/20161211-jasc
→日経新聞を読む会
http://www.slideshare.net/resolution2100/20161211-jasc-70236209
★コラム「明治のヒーロー発掘プロジェクト! from 山形庄内」
http://underbar-cowork.com/columns/uekiemori/
★ブログ連載記事「また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった…」他
http://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/c13872.html
それぞれにつきご一読いただけましたら幸いです。
以上、勝手ながらご挨拶とご報告でした。
願わくは、新年も幸多き時となりますことを。
--
山本泰弘
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e301986.html
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時節の挨拶・報告
Sun, 01 Jan 2017 00:00:00 +0900
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また京都にまつわる本を買うてしもた…②万城目学 作、渡会けいじ 画『鴨川ホルモー』
【連載】"――#また京都にまつわる本を買うてしもた……"
②万城目学 作、渡会けいじ 画『鴨川ホルモー』(角川コミックス・エース)
https://www.amazon.co.jp/dp/4047151246
京都で学生時代を送りたかった貴方、
常人には見えぬ妖を使役してバトりたい貴方、
そして・・・
京大女子に全力で「アホッ」って叫ばれたい貴方へ!!!
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e296767.html
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e296767.html
【Facebook連載記事】,また京都にまつわる本を買うてしもた…
Sun, 18 Sep 2016 15:39:49 +0900
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2016-08 残暑お見舞いのご挨拶とご報告・ご案内
みなさま
お忙しいところ失礼いたします。昨年春、転職によりUターンしました山本泰弘です。
一斉送信のご挨拶にて恐縮ですが、残暑お見舞い申し上げます。
こちら庄内では、まだ日射しは強いもののすでに秋の空気に包まれています。
今年度に入りこれまでに、私にとって次の出来事がありました。
◆6月:東北公益文科大学コワーキングスペース「UNDERBAR」にて、「"うわっ…私の投票、ムダすぎ…?"とならないための選挙ガイド」を開催
http://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e295657.html
「18歳選挙権」となって初の参議院議員選挙を前に、有権者となって間もない学生をメインターゲットとした公開講座を開催しました。
◆6月:明治の若者による"幻の憲法草案"現代語訳の出版企画について、大手出版社編集者と会談
https://docs.google.com/document/d/1QoiK091L8eh3falITroNCcOlb4eqLuwvk0I8-Fyc_nk/edit
憲法論議といえば戦後の歴史や条文解釈ばかりが注目されますが、実は明治前期の日本では、20代を中心とする若者たちが各地でチームを結成し、ゼロから完成度の高い憲法草案を書いていたのです。その代表的なものを、初めて全文現代語訳しWeb公開しました。
これに講釈や時代背景の解説を加えて出版する企画を、大手出版社の編集者に提案する機会を得ました。日本国憲法70周年イヤーを見据え、鋭意ご検討いただいています。
◆7月:コラム「明治のヒーロー発掘プロジェクト! from 山形庄内」が掲載
http://underbar-cowork.com/columns/uekiemori/
東北公益文科大学コワーキングスペース「UNDERBAR」Webサイトにて、上記出版企画について語ったコラムが公開されました。著者っぽい写真も撮っていただきました。
◆9月:東北芸術工科大学主催「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2016」に出展
https://biennale.tuad.ac.jp/ichi
同芸術祭の一環の「本の市『ブックトープフェス』」に、「山形読書会」の一員として出展します。
"県立図書館を併設する遊学館では、朝から夜まで1日ロビーを借り切り「山形×本」を心ゆくまで楽しむ本のフェス「ブックトープフェス」を開催。本のマルシェやゲストによる多彩なワークショップ&トークで、街と人をつなぐ本の可能性を探る。
開催日=9月10日[土]11:00~21:00 会場=遊学館
協力=森岡督行、空閑理、粕川ゆき
ディレクション=ナカムラクニオ…ブックカフェ「6次元」店主。"
★ブログ/Facebook連載記事
・また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった… 他
http://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/c13872.html
それぞれにつきご一読いただけましたら幸いです。
以上、勝手ながらご挨拶とご報告でした。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
--
山本泰弘
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e301987.html
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e301987.html
時節の挨拶・報告
Sun, 28 Aug 2016 00:00:00 +0900
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また京都にまつわる本を買うてしもた…①森見登美彦 作、琴音らんまる 画『夜は短し歩けよ乙女』
【連載】"――#また京都にまつわる本を買うてしもた……"
①森見登美彦 作、琴音らんまる 画『夜は短し歩けよ乙女』(角川コミックス・エース)
http://www.amazon.co.jp/dp/4047150290
京都と言えばこれ。京大と言えばこれ。
マンガ版を読んでから原作小説を読むのをおすすめします。先斗町が、生協旧ルネが、下鴨神社が、旧中央食堂が、祇園祭が、そしてでっかい鯉のぬいぐるみを背負って京大学園祭をめぐる乙女(!)が絵描かれているのはマンガ版ならでは!
乙女から\先輩!/と呼ばれたい貴君!!
\ほら!早く買わんと!/
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e295900.html
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e295900.html
【Facebook連載記事】,また京都にまつわる本を買うてしもた…
Sat, 27 Aug 2016 13:28:41 +0900
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また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった…⑫武田日向『異国迷路のクロワーゼ』
【連載】"―― #また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった…… "
⑫武田日向『異国迷路のクロワーゼ』(角川コミックス ドラゴンJr.)
https://www.amazon.co.jp/dp/4047125229
19世紀末のパリ。若くして工房の看板を担う少年のもとに、遥か東洋の異国・日本から来た少女が現れる。住む世界の違いからトラブルを起こしつつも、店を守ること、交わした約束を信じること、家族にまつわる悲しい過去…と、互いに共感するものを見つけだしていく。
少年の工房は伝統的商店街"ギャルリ"にあり、そこは時代を先駆ける百貨店"グラン・マガザン"により衰退する趨勢にあった。現代とどこか共通するその舞台設定も心を惹く。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e295899.html
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e295899.html
【Facebook連載記事】,また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった…
Sat, 27 Aug 2016 13:17:22 +0900
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また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった…⑪野口幸一『ディジタル・ホームズ』
【連載】"―― #また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった…… "
⑪野口幸一『ディジタル・ホームズ ミレニアム・ハッカー』(ファミ通文庫)
http://www.amazon.co.jp/dp/4757703457
2000年問題に揺れる東京。"新世界の創生"を目論むサイバーテロ組織の陰謀に巻き込まれつつ、奇才少年が一日一つのおやつとともに都心を駆け巡る、インテリジェンス(知能・情報・戦略・謎解き)バトル。
サイバーテロの手口や、主人公が"相棒"とする万能情報端末といった情報技術のテクニカルさは、当時ならファンタジックなものだっただろう。が、現代ならリアルに"あり"と思える。これが20世紀に書かれたのか…!と唸らせる。
ホームズの血を引く奇才少年、未来的ギア、青年ハッカー、そして警視庁・スコットランドヤード・FBIの特命チーム…。中二な貴方の心を刺激する古典的作品。おやつの存在も彩りを添える。
なお主人公の苗字から、当時の世相も窺われる。奇しくも筆者の見立てとは異なる企業が、現代のIT界を支配することとなったが…。
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e295898.html
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e295898.html
【Facebook連載記事】,また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった…
Sat, 27 Aug 2016 13:13:09 +0900
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"うわっ…私の投票、ムダすぎ…?"とならないための選挙ガイド@東北公益文科大学
2016-06-28 "うわっ…私の投票、ムダすぎ…?"とならないための選挙ガイド@東北公益文科大学
2016年6月28日、東北公益文科大学コワーキングスペース「UNDERBAR」にて、有権者となって間もない学生をメインターゲットとした公開講座「"うわっ…私の投票、ムダすぎ…?"とならないための選挙ガイド」を開催しました。
〔案内文〕
来る選挙で初めて投票する若者を中心に、選挙の仕組みをわかりやすく解説し、イベント感覚で楽しむ見方を提供します。
語り手:山本泰弘(地方公務員・国会議員政策担当秘書資格者)
※公務員なので政治的に中立なことしか言えません。安心!(□_□+
・テキスト(2012年版)
・大丈夫!あなたの一票は日本を変えません!
・池上さんの選挙特番まじぱねぇ
・あの日起きた選挙の悲劇を君たちはまだ知らない(2000年アメリカ大統領選の話)
・もし国会議員政策担当秘書資格者が日本で最有力の政治家との面会に遅刻したら(実話)
・※このイベントは監視されています(実話)
〔まとめ〕
①(政治をよく知らないから、よく知って投票する人に任せたらいいという本音に対し)
「若者は、すでに教育政策について十分詳しい。そのアドバンテージを活かし、まず各党の教育政策を見てみよう」
参考:政策比較表2016参院選【子育て・少子化・教育】 _ 政くらべ
②「選挙で話題になるテーマの多くは、日本が今後数年で取り組んでいくもの。(どの党に投票したかにかかわらず、)忘れた頃に"あっ、あのとき話題になってた件がこんな風に解決されてる"と気づくと社会の変化を感じられる」
eg.ブラック企業対策、子育て環境充実、地域活性化
参考:(2013年)【参院選 争点・総まとめ】ハフポストが訴えた「6つの争点」とこれまでの議論のまとめ
③「2000年米国大統領選挙のように、終わってみれば"あれは歴史を変える選挙だった"――ということが実はある。スルーするよりは一応でも参加しておくと、歴史の目撃者っぽくなれる」
参考:Facebookページ「池上彰の選挙ライブ」2016年7月5日
④「国会議員の秘書は、なり手不足(資格なくてもOK)。特に若者は歓迎される。地位は立派だけど、実は雑用尽くし。それでいて、国や社会を動かす側に立つ体験ができる」
参考:民主党アーカイブ 「政治の不思議」調査隊 第1回 「議員秘書ってどんな仕事をしているの?」
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e295657.html
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e295657.html
【発表・演説】,【Web/紙面掲載・寄稿】,「うわっ…私の投票、ムダすぎ…?」
Sat, 20 Aug 2016 23:01:14 +0900
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また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった…⑩家永三郎『革命思想の先駆者』
【連載】"――#また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった……"
(Facebook投稿はこちら)
⑩家永三郎『革命思想の先駆者』(岩波新書)
http://www.amazon.co.jp/dp/4004131170
時は明治…。民草に過酷な圧政をなす支配者に、果敢に立ち向かった思想家・植木枝盛。
明治政府によって一度は歴史から消されたが、京都帝大を退学になった異端の研究者・鈴木安蔵によって掘り起こされ、その精神は日本国憲法に甦った。
さらに戦後、彼の生き様を世に伝えようとしたのは、やはり政府と対峙し文教政策を質し続けた反骨の研究者・家永三郎だった。
しかしいま再び、彼らの歴史は埋没してしまっている…。
"支配に立ち上がった英雄"…"消された歴史"…"異端の研究者"…"自由を求める闘い"…
これらのフレーズと難しい漢字が好きな貴方のための一冊(バイブル)。
"く…ッ!! 鎮まれ俺の革命思想…ッ!!!"
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e290981.html
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e290981.html
【Facebook連載記事】,また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった…
Thu, 05 May 2016 09:55:48 +0900
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2016-05 新年度に際してのご報告・ご案内
みなさま
お忙しいところ失礼いたします。昨年春、転職により山形へUターンしました山本泰弘です。
初夏の候、いかがお過ごしでしょうか。2016年度が始まって一月あまり過ぎ、環境の変化があった方も一息つかれていることかと存じます。
昨年末からこれまでに、私にとって次の出来事がありました。
昨年12月:「第2回地域課題解決全国フォーラムin庄内」にて、茨城県つくば市での"自転車のまちづくり"プロジェクトについて実践報告
https://docs.google.com/document/d/1TZklDEshJmv_Z9Og2_L-gFkzVv4dMAvk3DRagQqEXJA/edit
地域課題解決の実践例として、かつてつくばで私が主導した「高性能自転車試乗イベント」について報告しました。
1月:「筑波大学駅前キャンパス」プロジェクトの報告(査読有)がWeb公開。
http://hdl.handle.net/2241/00134374
2013年・2014年に、筑波研究学園都市の研究者や学生が駅構内の広場で"路上プレゼンテーション"を行い研究活動を紹介するプロジェクトを実施しました。その報告が、CiNii及び筑波大学のデータベースにて公開されています。
2月~:明治の若者による"幻の憲法草案"の現代語訳を発表 出版を目指す
http://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e288073.html
憲法論議といえば戦後の歴史や条文解釈ばかりが注目されますが、実は明治前期の日本では、20代を中心とする若者たちが各地でチームを結成し、ゼロから完成度の高い憲法草案を書いていたのです。
その代表的なものを、初めて全文現代語訳しWeb公開しました。
訳文に講釈と歴史背景の解説を加え、出版を目論んでいます。
(文例) http://hdl.handle.net/2241/00138032
お知り合いに出版・報道関係者がいらっしゃれば、ぜひご紹介ください。
それぞれにつきご一読いただけましたら幸いです。
以上、勝手ながらご挨拶とご報告でした。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
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山本泰弘
https://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/e301988.html
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時節の挨拶・報告
Thu, 05 May 2016 00:00:00 +0900