2018年01月06日

2017-12-06 「明治の若者に学び 主権者の役目を考える」河北新報

明治の若者に学び 主権者の役目を考える
(2017年12月06日 河北新報採用)

 「人民が主権者であるならば、自分がもし国家の立場に立ったらどうするか、ということを絶えず考えなければならない」。石破茂氏が好んで引用する、哲学者・田中美知太郎の言葉である。

 明治維新から間もない時代の日本には、その志で国のあり方を考え、一から憲法草案を作る若者たちがいた。しかも、全国各地に。東京のエリート官僚などではなく、地方の若者たちが自学自習を積んでいたのである。

 そのうちの一人が、現在の栗原市に生まれた千葉卓三郎。仙台藩士として戊辰戦争を戦い敗者となった後、各地を流浪し西多摩の村里に教師の職を得る。彼の志を見込んだ地元の有力者がパトロンとなって資金を供給し、山村にあっても高価な書物を取り寄せたり講師を招いたりして学究を深めることができた。彼の書いた憲法草案「五日市憲法」は、当時蔑ろにされていた国民の権利を明記した先進的なもので、発見した後世の学者を驚かせた。

 彼らの時代も今も、混迷の世だ。だからこそ自由の気風で望ましい国の姿を想像することが、私たち主権者の役目ではないだろうか。






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