2017年09月09日

2017-04-14 「集団的自衛に誰が行くの?」@河北新報

集団的自衛に誰が行くの?
(2017年4月14日 河北新報採用)

 宅配便業界で働き手が集まらず、運賃値上げやサービスの縮小を迫られているという報道は記憶に新しい。割に合わない労働環境が忌避された当然の結果だ。
 この現象は、ひとたび決着したかに思われる集団的自衛権論議に示唆を与える。国際社会の安定に貢献だとか国家としての自立だとか抽象論が唱えられるが、当の担い手は雇えるのかという問題だ。

 集団的自衛権容認の決定がなされた昨今、自衛隊の入隊志願者はどれほど減ったのか。その具体的な発動の気配が迫るほど隊員は減るだろう。「割に合わない」からである。
 自衛隊員が不足するとなれば、まず何が起きるか。日本の自衛隊が現にもたらす最大の恩恵は、東日本大震災で克明となったように災害救援だ。高確率で到来するとされる南海トラフ地震のような広範囲的大災害に対し、自衛隊が十分救援できないとなれば、まさに国難の極みである。

 防衛といえども、働く当事者の「割に合うか、合わないか」と無縁ではいられない。憂国の論者らはお国のためなら身を顧みない志士を想定しているのかもしれないが、私を含む現代人は狡猾である。集団的自衛権の論議では、隊員が減ることによる現実的リスクに目をつぶってはならない。



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