2010年04月18日
山形東高等学校『平成18年 後輩へ贈るメッセージ』...
山形県立山形東高等学校『平成18年 後輩へ贈るメッセージ』、Pp.97-99掲載
「Think Globally, Act Locally」
「Think Globally, Act Locally」
山本泰弘
今、日本そして世界は大変なことになっています。地球規模の自然破壊はとどまるところを知らず、特に日本では環境保護の動きはまたまだ未熟です。この背景にあるのは先進国中心の経済であり、先進国と発展途上国の間には依然として激しい格差が存在しています。
そんな中でかつて途上国とされた中国・インド・ASEAN諸国は国民のハングリー精神と向学心のために急成長を続け、これからの世界の中心だと言われています。それに対し日本はどうか。豊かさに浸った人々は地球の状況に目を向けず自分の快楽を求めて資源を浪費し、世界をリードする先進国としての責任など感じず、勉強や研究といった地道な努力が軽んじられています。
僕が皆さんに望むのは、今の世界の広さとヤバさを知り、この状況に溺れたくないと思ってほしいということです。世界中で苦しんでいる人がいるのに、また豊かさを目指して必死で勉強している学生がいるのに、先進国で何も考えず贅沢な暮らしをしていていいんですか。この言葉に少しでも刺激を感じた人は、なんとかして勉強してください。勉強するために大学に行ってください。その結果、油断している人が多い日本で活躍するも、不条理の多いこの国を飛び出して国外で独立するもいいでしょう。「大学へ行ってラクをする」という時代はもう終わっているのです。
「将来国家公務員だなんて夢がない」と歌うアーティストがいます。「日本人選手の活躍が子供たちに夢を与えた」と語るスポーツキャスターがいます。果たして、公務員は人間味のない人ばかりがなる仕事でしょうか?スポーツ選手になることだけが理想の将来なのでしょうか?
これらは、先進国の日本で地道に勉強することの意義が軽んじられていることの表れです。社会に役立ちたいという志を胸に、勉強し試験を突破して国家公務員になるのは誇るべき道です。スポーツ界で光が当たるのは才能と環境に恵まれたほんの一握りの人間ですが、勉強はすべての人に公平であり、トップを奪い合う必要もありません。国内外を問わず社会のため貢献する方法はいくらでもあります。勉強することだって、紛れもない夢への道なのです。
皆さんはこれまで何度となく勉強に対する冷めた目を体験してきたはずです。勉強を夢と相反する暗いものという意識を植えつけられてもきたでしょう。しかし、Think Global――世界に目を向けてください。そのような考えは、着実な進歩を追及するグローバルスタンダードに反しているということに気づいてください。そして、Act Local――スポーツや音楽に劣らず、より確実で身近な夢の実現の手段として勉強というものを捉えてください。
僕がタイトルに使ったこの言葉は、本来地球環境の保護を訴えるものです。勉強だけではありません、なんとかして環境を守ってください。はじめにまだ未熟だと書きましたが、この分野では特に、多くの人々が世界を見据えて取り組んでいるのです。勉強と環境保護、一見関係のないこの二つに共通しているのは、自分(たち)だけの関係する場に安住するのではなく、この世界に生きる一人として行動するという「Think Globally, Act Locally」の精神なのです。そしてそれは、生命や食糧の不安など感じず安定した生活が送れ、最先端のツールにより情報が豊富な先進国に生きているからこそ持てる、また、持たなくてはならないものだということを忘れないでください。
最後に。僕のこの文章には自分の体験も、具体的な学習法もありません。「なんとかして」というフレーズを二度も使った無責任なものです。ただ、今の暮らしにそう感じて自らどう行動するかを考える機会があるでしょうか?どういう志を持つか、どう勉強するか、どう地球を守るか。この文章が、皆さんにとって「なんとかしよう」と考えるきっかけになることを願います。
(大学受験の合格体験記として。)
今、日本そして世界は大変なことになっています。地球規模の自然破壊はとどまるところを知らず、特に日本では環境保護の動きはまたまだ未熟です。この背景にあるのは先進国中心の経済であり、先進国と発展途上国の間には依然として激しい格差が存在しています。
そんな中でかつて途上国とされた中国・インド・ASEAN諸国は国民のハングリー精神と向学心のために急成長を続け、これからの世界の中心だと言われています。それに対し日本はどうか。豊かさに浸った人々は地球の状況に目を向けず自分の快楽を求めて資源を浪費し、世界をリードする先進国としての責任など感じず、勉強や研究といった地道な努力が軽んじられています。
僕が皆さんに望むのは、今の世界の広さとヤバさを知り、この状況に溺れたくないと思ってほしいということです。世界中で苦しんでいる人がいるのに、また豊かさを目指して必死で勉強している学生がいるのに、先進国で何も考えず贅沢な暮らしをしていていいんですか。この言葉に少しでも刺激を感じた人は、なんとかして勉強してください。勉強するために大学に行ってください。その結果、油断している人が多い日本で活躍するも、不条理の多いこの国を飛び出して国外で独立するもいいでしょう。「大学へ行ってラクをする」という時代はもう終わっているのです。
「将来国家公務員だなんて夢がない」と歌うアーティストがいます。「日本人選手の活躍が子供たちに夢を与えた」と語るスポーツキャスターがいます。果たして、公務員は人間味のない人ばかりがなる仕事でしょうか?スポーツ選手になることだけが理想の将来なのでしょうか?
これらは、先進国の日本で地道に勉強することの意義が軽んじられていることの表れです。社会に役立ちたいという志を胸に、勉強し試験を突破して国家公務員になるのは誇るべき道です。スポーツ界で光が当たるのは才能と環境に恵まれたほんの一握りの人間ですが、勉強はすべての人に公平であり、トップを奪い合う必要もありません。国内外を問わず社会のため貢献する方法はいくらでもあります。勉強することだって、紛れもない夢への道なのです。
皆さんはこれまで何度となく勉強に対する冷めた目を体験してきたはずです。勉強を夢と相反する暗いものという意識を植えつけられてもきたでしょう。しかし、Think Global――世界に目を向けてください。そのような考えは、着実な進歩を追及するグローバルスタンダードに反しているということに気づいてください。そして、Act Local――スポーツや音楽に劣らず、より確実で身近な夢の実現の手段として勉強というものを捉えてください。
僕がタイトルに使ったこの言葉は、本来地球環境の保護を訴えるものです。勉強だけではありません、なんとかして環境を守ってください。はじめにまだ未熟だと書きましたが、この分野では特に、多くの人々が世界を見据えて取り組んでいるのです。勉強と環境保護、一見関係のないこの二つに共通しているのは、自分(たち)だけの関係する場に安住するのではなく、この世界に生きる一人として行動するという「Think Globally, Act Locally」の精神なのです。そしてそれは、生命や食糧の不安など感じず安定した生活が送れ、最先端のツールにより情報が豊富な先進国に生きているからこそ持てる、また、持たなくてはならないものだということを忘れないでください。
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(大学受験の合格体験記として。)
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2017-06-29 「明治の『野党共闘』」@朝日新聞
2017-04-27 「語り継ぐ 明治の英雄譚」@山形新聞
2017-04-14 「集団的自衛に誰が行くの?」@河北新報
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Posted by 山本泰弘 at 23:00│Comments(0)
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