2012年11月01日

新概念「政策資源」

【新概念:政策資源】

「革新的エネルギー・環境戦略」("2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する。”)や、野田首相の所信表明演説で用いられて普及した「政策資源」。実はこの言葉、しっかりと定義されているわけではない。

「政策"という"資源」と、「政策"のための"資源」という2通りの解釈ができる。上記の2つの例では「政策という資源」のニュアンスが強いが、かつての例では「政策を行うための具体的なもの(資金、設備、労力やノウハウ)」が示されていた。

私は「政策資源」についてこう考える。

政策は、そもそも議会(国会や地方議会)の決定がないと始まらない。基本的に議会で決定された任務や範囲に従って、省庁や自治体が仕事をする。政策は正統性を持つのは議会の機能があるからであり、議会のその機能の資源になっているのは選挙で測られる民意である。よって、根源的な政策資源の一つは民意である。

他方、省庁や自治体は、職員を雇い、物やサービスを購入して政策に関する仕事を行う。それらは資金があるから可能なことである。予算案を議会決定しても、その分の資金が実在しなければ、政策は実施しえない。よって、根源的な政策資源の一つは資金である。

「民意」と「資金」の2つが、根源的な政策資源であると言える。


<解説>
これまで、政策を行うためには有限の資源が必要で、それをより多様な(納税や投票以外の)方法で調達しようという考え方はあまりなされてこなかったのではないでしょうか。今後その考えが重要になってくるでしょう。
アル・ゴアさんも、映画「不都合な真実」のしめくくりで“政治的意志は再生可能な資源だ”と言っています。


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参考文献
・“2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する。”
国家戦略室 エネルギー・環境会議「革新的エネルギー・環境戦略」、P.2,4、2012年9月14日。 http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120914/20120914_1.pdf

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