2010年04月19日

筑波大学新聞2008年6月発行号「地球レベルで...

【寄稿:地球レベルで “空気を読む”時
国際総合学類3年 山本泰弘

 本紙前号の「視点:本質置き去りのエコ 知識を持って行動を」は、エコバッグなどを例に環境について浅い知識で行動すべきではないという重要な視点を提供してくれた。確かに環境負荷を考える上では、製品が作られてから捨てられるまでの総合的な評価・ライフサイクルアセスメントは欠かせない。それを踏まえた上で、私から“エコというトレンド”について新たな観点を示したい。

 エコバッグをはじめとした環境志向のライフスタイルは、いま全世界的に評価されている。かと言ってこれは単なる浅い“流行”で、中身のないものだろうか?―この潮流の背景には、世界が「環境」を現代の共通課題としてとらえ、前向きに取り組んでいこうとする雰囲気がある。グローバルな課題に敏感でありライフスタイルにその姿勢を取り入れることは、その人自身がファッショナブル・スマート(理知的)であるだけでなく、世の中の流れを形作り多くの人を動かすマスメディア・経済・政治に望ましい影響を与えることになる。

 同時にこの潮流は、人々が従来型の行動を変える必要があることを示唆している。例えばレジ袋の消費による環境負荷は人間の活動全体から見ればごく限られた規模だが、それが象徴する「使い捨て文化」に人々が依存し続けることは無理である。エコバッグの評価とともに、時代の要請からレジ袋消費に相応の対価を設定する自治体が増えている。社会として行動を変えるべき時だからだ。

 ごく一部では環境のイメージを装った、あるいはあえて科学的事実に疑問を呈する不誠実なビジネスが存在し、それに踊らされる人々がいることは残念である。ただし、だからといって現状維持を続けるのではなく、学生・消費者としての判断で世界の流れに適した行動変化の仕方を選ぶことが求められている。

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