2015年12月28日

‎また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった‬…④『小泉八雲「日本の面影」』

【連載】"――‪#‎また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった‬……"
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④池田雅之『小泉八雲「日本の面影」』(NHKテレビテキスト「100分de名著」)
http://www.amazon.co.jp/dp/4142230522

‎また19世紀後期にまつわる本を買ってしまった‬…④『小泉八雲「日本の面影」』


19世紀後期に西洋に開国された未知の国、日本。その国を訪れ、江戸から北へ向かい"東洋のアルカディア"米沢に出会ったのがイザベラ・バード(連載第1回参照)。江戸から西へ向かい"神々の国の首都"出雲で暮らしたのがラフカディオ・ハーン、後の小泉八雲である。

八雲曰く、"真の日本の面影は、民の暮らしの中にこそ感じられる"(意訳)。イザベラ・バードの紀行とも、後世の柳田國男の「常民」論とも重なる。西洋を追い求める東京とは対極の出雲でこそ得られた感慨であり、異文化へ敬愛をもって浸った八雲だからこそ達した理解だ。

このテキストでは八雲のルーツに焦点を当てている。父はケルト文化の地アイルランドの生まれ、母は多神神話の地ギリシャの生まれ。そこに始まる八雲の人生の波乱が、日本の面影を篤く感受する伏線になったのだと。

筆者曰く、八雲が特に感じ取ったのは「Ghostly」なものだと。神、霊、聖域、信仰、伝承…。そのようなものが暮らしに混じり合っている有様が、日本の「奥」にはある。このことを発掘し、語ってくれたのが八雲なのだ。


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