2012年06月01日

国際総合学類 フレッシュマンセミナー 大学院進学体験談

2012-06-13
国際総合学類 フレッシュマンセミナー 大学院進学体験談

Chase for the SMART SOCIETY

山本泰弘
(京都大学 地球環境学大学院 政策論分野 修士2年・国際総合学類24期(2010年卒))
〔脚注入り原稿〕


 僕は当初東京大学公共政策大学院への進学を志望し、学類4年生時とその翌年の2度の不合格を経て、2年目に合格した京都大学地球環境学大学院へ進学しました。京大においては、英語授業がほとんどの環境学大学院の科目と、一流行政官OBの先生方による政策課題密着型#の公共政策大学院の科目を並行して学んでいます。
 東大では双方の分野は別々のキャンパスに分かれていますが、京大では隣同士の建物で授業が受けられるため、このメリットを最大限に活かしています。


1.現在の研究

 僕は筑波大時代から、“環境負荷が低く、エネルギー効率が高く、経済的にも生活の質も豊かな社会を実現する”「低炭素社会政策」に強い関心を抱いてきました。新技術の活かされた製品や、人の行動を変える巧みなルールを導入することにより、スマートで合理的な社会を作る。地球の課題を解決するとともに、とてもお金の儲かりそうなこちらの方向へ、日本と世界の経済は動いています。
 環境というとみなさんなら国際会議や条約による決定を思い浮かべるでしょうが、僕は民間企業や一般の人々の能力を引き出して社会の低炭素化・スマート化を進める方策を探っています。そこでは、「CO2 〇%削減」や「将来世代のために」といったヴァーチャルな動機付けではなく、「これはもうかる!」「こうなったら楽しい!」といった直感的な感覚に訴える方法が有効ではないかと見ています。
 特に近年関心が集まる、一般の人々から特定のプロジェクトに対する出資を募ってそれを実現する「ソーシャルファンディング」の方法を低炭素のまちづくりに応用できないか――というのが僕の問いです。


2.学生時代

 筑波大時代の課外活動の経験が、僕の進路や人生観に克明に影響しました。
 特に、家具家電リユースプロジェクト「エコサイクル」の立ち上げ、つくば市のレジ袋有料化施策への関与、日本最大級の環境博覧会「エコプロダクツ」への出展 は、政策や経済活動が地域または日本の社会を変化させることを強く印象付ける要素でした。#
 それらを経て、つくばの環境都市づくりプロジェクト#に参加し、国立環境研究所が発信する「低炭素社会」のビジョンに出会ったのです。理想的な将来社会を実現するには、目標を掲げるだけでなく、国や地域そして人々を真に動かす公共政策の機能が不可欠(かつ不足している)と思うに至りました。
 

3.大学院進学の動機

 僕は学類の外で「環境」と「政治」とを学んできましたが、正規課程の学修ではないことに心もとなさを感じていました。そして大学院を含む筑波大の課程では公共政策の現場に迫った学びは得られません。政務関係者への人脈や、政務職志望の学生とのつながりも不安です。
 公共政策大学院を志望したのは、政務の現場でまさに扱われてきた課題を学べることが第一の理由であり、国家の政策をライフワークとすることを志す人材が結集していることが第二の理由です。そして東大(京大はそれに準じる)は、特に有能な人材が集まる場であり、先端的な情報が集まり、学生の社会観や課外活動のレベルも高い。日本社会に多大な影響を与える地位にあるのです。僕はその地位を望み続けてきました。

 これらの欲求を蓄積してきたことが間接的な準備と言えますが、直接的には政治学・公共政策・環境政策の基本書を読み進めるとともに、各大学の公共政策大学院の試験問題を集めて不明点をWeb検索しながら解答を書く、という対策を続けていました#。
 一般的に大学院受験というと志望先の研究室・教員に”弟子入り”する#ようなシナリオが示されますが、僕が受けたところはいずれも「政策」という大きな枠の中で学生が自由にテーマを選べるスタイルです。なので基礎知識を問う試験で多くの相手と競うことになります。


4.30期生に向けたアドバイス

 「東大を見ろ」。この一言に尽きます。
 筑波大(生)は何かとオリジナリティを追求しがちですが、それはときに実力の差から目をそらす言い訳です。進学希望者に限らず、政策や経済、外交の分野で社会を動かす(=下働きではない)仕事をしたいなら、最寄りの大学として東大を見、そのレベルを痛感すべきです#。学問の質、学生の質、課外活動の質、社会的影響力、そして例えば先進的な環境エネルギー対策。それらを目標・模範とする真摯さが、筑波大学には必要です。
 それらがかいま見られる機会が学園祭だと思います。来年はやどかり祭ではなく東大五月祭へ行くことを強くすすめます。

 自分の在る現状に問題意識や憤りを感じ、その変革にチャレンジするのでなければ、凡庸な人生で終わります#。少なからず犠牲を払いましたが、僕は自らの信じるところにより、今に至ります。



―――――
山本泰弘 http://yamamotoyasuhiro.tsukuba.ch/
山形東高校卒。2010年 国際総合学類卒業後、大学院人文社会科学研究科科目等履修生を経て、2011年 京都大学 地球環境学大学院 政策論分野 入学。
経済産業省・環境省を目指し国家公務員試験受験中。

京都大学大学院 - 地球環境学堂・学舎・三才学林(地球環境学大学院)
http://www.ges.kyoto-u.ac.jp/cyp/index.php?ml_lang=ja
東京大学公共政策大学院
http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/

ゼミ:首藤もと子ゼミ、辻中豊ゼミ(社会学類)
卒業論文:「社会的責任投資の世界的潮流と日本の政策」
課外活動:3Ecafeプロジェクトチーム、環境コミュニケーションラボ、3R+1 Ecocycle、全代会生活環境委員会、筑波模擬国連 など

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